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全国の若手ボートマンの方々、こんにちは。
今年もやります、Rowingの志版「RISING STAR」!!
2021年も残りわずか、コロナなんか終息して消えちまえ!企画であります。


最初は2018年の11月末から12月頭にかけて新企画で書いた記事であり、今年で4年目に突入。大学2年までの新人選手限定で、一気にブレイクしたりブレイク寸前の「RISING STAR」を一挙ご紹介するコーナーです!
Rising Starとは、成長株、期待の星、人気急上昇中の人といった意味です。World Rowingファンの皆さんならご存じ、世界でブレイクしたりブレイク寸前の期待の若手選手を紹介する記事ですね。
高校生を厳選したり、大学では全国の色んなチームからと思ってどんどん挙げていったところ、なんと30名を超えてしまいました!綺羅星のごとく、あふれ出すボート界の若いきらめきたち。「RISING STAR」からボート界の真の「TOP STAR」となって輝け!この中からRowing世界一をめざす選手が出てきてほしいと思います。

ちなみに、大学3年以上は選ばないという自分で作った縛りがあり、今年の全日本インカレでは特に大学3年世代、大学4年世代の活躍が中心でした。実質、ボートを始めた大学生は3年目のシーズン、そして4年目ラストシーズンで飛躍した選手が多かったと思います。こうした皆さんを選べないのは心苦しいですが、とりあえず大学や社会人の1年目2年目までとさせていただきますのでご理解のほどお願いします。また、完全に勝手な主観の選出とさすがに多すぎても記事にならないので、選べなかった方々にはご容赦のほどお願いいたします。
そしてRising!という急成長イメージの選手を選びたい反面、フレッシュな1年目、飛躍して大活躍の2年目、そして有望かつ今後に期待の高校生、そのほかキャリア豊富で20歳なのにボート歴たいへん長い選手まで含まれます。

このブログでは、いつからか多くのチームの選手を勝手にご紹介させていただくことが多くなってきました。「あまり勝手に紹介すると、失礼にあたる」という意識は常に抱えながらも、「ブログに載せてもらってありがとうございます」というお言葉を頂くことのほうが多いので、好意的に受け止めてくださる方が多数だと信じて、こうした企画をやってしまう所存であります。
いつもながら、勝手にブログに載せることはたいへん失礼ではありますが、Rowingの魅力は人の魅力、Rowing選手の魅力にあるという思いを胸に、ひとつご理解とご協力をお願いいたします。いや、結局ボートの魅力はそこに尽きるんですよ。


インカレや高校の記事などさまざまな記事を書いてきて、多少は全国区で色んな選手がいらっしゃることを調べの中で知ることができました。私のRowingデータ調査網において勝手に見知った選手が全国にたくさんいらっしゃいます。レース結果の調べや大学ボート部ブログとかで知った方などです。本当に調べるとたくさんのボートマンの存在を知ってしまうのです。まだまだたくさん素晴らしい選手がいるのですが、いつもながら独断と偏見でいきたいと思います。


過去記事です。
昨年ご紹介の選手と、U19選手紹介記事です。
「2018NOVEMBER、RISING STARS!!~前編」
「2018NOVEMBER、RISING STARS!!~後編」
「U19日本代表、RISING STARS!!~男子編」
「U19日本代表、RISING STARS!!~女子編」
※U19は2019年春、M大のU19代表T.T輝選手のリクエストにより書いた記事です。

「2019DECEMBER、RISING STARS!!~前編」
「2019DECEMBER、RISING STARS!!~後編」
「2020 DECEMBER、RISING STARS!!~前編」
「2020 DECEMBER、RISING STARS!!~後編」

特にこのシリーズを知らなくて時間のある方は、過去記事もぜひチェックしてみてください。
けっこう、その後上級生になって優勝したりメダルに輝いたりと、めちゃくちゃ活躍してる選手多くないですか?とても嬉しく思っています。やっぱり、1年目、2年目でブレイクし始めの選手がチームの主軸になったり大きな選手に育っていく過程はとてもワクワクしますよね。

今回も、過去にご紹介した選手と、今年何度もブログ記事中で取り上げさせてもらった選手などはあまり選出していません。しかし何人かは一度注目してからここでも選ばせてもらった選手もいます。
できれば、今年一気に伸びてブレイクした選手、インハイや全日本新人で活躍したフレッシュな選手などをピックアップしたいと思っています。しかしながら今年もコロナ禍が世界を覆い、世界ジュニア派遣を見送ったり、全日本新人など若い星がきらめくレースがいくつも中止になってしまい20歳以下の選手たちの選出は難しくなっています。マシンローイング大会の結果も貴重な判断材料にしていますがこちらも中止。今年は少なくなるかなと思いましたが、それでも30人近く選んでしまいました。
それから、トップ選手もいますが、World RowingのRISING STARでもそうであるように、必ずしもトップの実力と実績がなくてもいいのです。その辺が独断なんですね。




ちなみに、この記事の元ネタであるWorld Rowingサイトの本家Rising Starの記事は、昨年12月頃にサイトがリニューアルしたときになくなってしまっているようです。今のWorld Rowingサイトでは、Rower of the Monthという、毎月の年齢無制限で注目選手を紹介するコーナーは継続していますが(以前はAthlete of the Monthというコーナーだった)、若手のイチ押し選手をピックアップするコーナーはなくなっているようです。
当ブログではその本家Rising Starを紹介する前フリも慣例化していまして、今年でその前フリは終了しようと思いましたが、それも寂しいので東京五輪で活躍したRising Starを挙げさせていただきます。

個人的に選ぶとすれば、東京五輪M8+金メダルのNZから、ストロークに抜擢され金メダルを掴んだマット・マクドナルド選手(22歳、198cm)と、同じく5番のダン・ウィリアムソン選手(21歳、196cm)です。


マシュー・マクドナルド選手(22歳、198cm) 東京五輪M8+金のNZストローク



ダニエル・ハンター・ウィリアムソン選手(21歳、196cm) 東京五輪M8+金のNZ5番

こんな若い選手が東京五輪M8+で花形のポジションを任され金メダルに輝いたのです。2人ともNZのオークランド出身。学年は1年違いで、ボートを始めたのもそれぞれ12歳の時と14歳の時でクラブも違いますが、2017年に世界ジュニアのM4-(2位)、2018年U23世界選手権のM4-(3位)と、同じクルーで代表に選ばれ、大きく成長。そして東京五輪をめざした若手のホープとして2019年シニアの世界選手権M8+に一足先にマクドナルドが弱冠20歳で7番に抜擢されます。しかしここではFinal Aの6位ということで優先出漕権を逃します。2019年のキウイM8+はまだまだ完成していなかったんですね。
そしてさらに若いダン・ウィリアムソンも加わり、マクドナルドはバウサイドからサイドチェンジしてストサイになりストロークを任されるのです。キウイM8+の大胆な人事と編成!
2020年は世界をコロナが襲い、NZの厳しいコロナ政策によりロックダウンと海外レース不参加で国際レースに出られない中、じっと力を蓄えてきたキウイM8+。2021年世界最終予選を勝ち抜き、瀬田で絶好調の合宿を終えて迎えた東京五輪本番。予選はオランダに先行され半艇身を逆転できず2着スタート。しかし2日後の敗復ではあの順風の漕ぎにくいコンディションで前回金のイギリス、復活してきていたアメリカを相手に先頭を譲らず1着で決勝を決めます。ここが最大のポイントになったでしょうか。
そして決戦となるFinal A最終レース、スタートから激しく競り合ったのはイギリス、ドイツ、NZ。やはりこの3強となった展開、お互い譲らず1000mまでカンバス差しかない大接戦の三つ巴、しかし第3クォーターで一気に攻めたNZがついにここまで2強で世界のエイトを牽引したイギリス、ドイツを半艇身リードすることに成功します。これまで国際大会で優勝のなかったマクドナルド、ウィリアムソンの若い2人の執念です。
ラストの激しい2強の底力を見せた驚異のスパートにも耐え、NZのキウイスパートが海の森に炸裂すると、黒い船が東京五輪金メダルという世界一の勲章をついに手にしたのでした。

NZのM8+五輪金メダル。キウイペアとして世界一の連勝記録を重ねながらもリオ五輪のあとはM8+にこだわったハミッシュ・ボンド。トム・マレーやマイケル・ブレークによるM2-でシンコビッチ兄弟への挑戦、ずっと続けてきたU23世代からのM8+育成など、多くの先輩漕手たちとコーチの長年にわたるM8+への思いがあって成し遂げられたM8+金メダルでしたが、そこに21歳、22歳という若手のピースが加わって、この偉業が完成したのですね。


海の森のコースをキウイM8+が最後に最高のレースをして駆け抜けた。Rowing NZのFacebookより


こんな感じのWorld RowingにおけるRISING STARであります。楽しくいきましょう!










では、日本のRISING STAR、いきますよ。本当に勝手なセレクションですがすみません。



RISING STAR~FILE 01

K茂高1年 K松M綸選手
158cm59kg
これまでは高校生男女+女子を前編としていましたが、今回は女子が前編、男子が後編といたします。
トップバッターはこの人、高1にしてインハイW1X優勝に輝いたK松M綸(KANEMATSU・MARIN)選手です。これで2年連続高1がインハイW1Xを制しました。しかも、この2カ月後に全日本W1X4位になるS水選手、全日本W1X8位のY本選手など強豪を破り、2位のY本選手に2艇身差をつけての圧巻の優勝です。インハイは1000mなので1000m得意選手が有利ですが、K松選手は前半2'01、後半2'02と全く落ちないようなレースで後半の500mで一気に混戦を抜け出し高校トップ選手たちをちぎっていきました。
このK松選手は私のブログでも何度もご紹介しているので、今年Rising!という印象が特別に強いわけではありませんが、やはり高校タイトルを手にしたのは大きいと思います。驚異のジュニア選手を育成するGふジュニアボートクラブご出身で中学生ながら全日本にも何度も出場しているK松選手。ボート界でも超有名ですね。何しろ、中2の14歳でエルゴ7'36をマークしているのですから・・・!身長も158cm、体重もほぼ軽量級ですのでどちらかといえば小柄。K松選手の強さの秘密は幼い頃からの水泳で培った持久力、そしてたいへん力強いパワーだそうです。私は以前、女子ボート選手は160cmはないと活躍できないという偏見がありましたが、もう身長は全く関係ないですね。男子も160cm台でも全然OKだし、女子も150cmもあれば問題ないでしょう。
K松選手のように、中学生から、そして中には小学生から漕ぎ始める選手もいて、中学世代からシニア顔負けの実力者がどんどん出てきて、高校ボートの女子はたいへん競争が激しくなっています。
その背景には、水泳や陸上などでしっかり体力のある選手がボートでの活躍を求めて競技転向してきていること。世界ナンバーワンスカラーの争いをしているドイツのツァイドラー選手も水泳からの転向ですしね。そしてGふジュニアのように育成力のある名門ボートクラブがあることです。シニアでも勝負できるようなK松選手、地元の強豪校のK茂高に進学し、ここでまたさらに強くなってめざすはジュニア代表、そして将来の軽量級女子代表候補として世界をめざしてもらいたいですね!







RISING STAR~FILE 02

W狭高3年 Y本Y結選手
164cm60kg
続いて、W狭高のエーススカラー、Y本Y結(YABUMOTO・YUI)選手です。
ボート王国福井県で切磋琢磨し、そして高校トップレベルの選手はジュニア代表選考でも鎬を削ってきました。ハイレベルな代表争いでは常に上位を占めており、Y本選手は春の全国選抜W1Xで見事優勝。このときは1000mレースでした。そして夏のインハイでも二冠をめざして同じ福井のM方高・S水選手に負けまいとハードトレーニングを重ねてきましたが、インハイではS水選手には常にリードをとりますが前述のK茂高・K松選手に後半逆転されインハイは悔しい2位。地元福井県久々子湖のインハイをW1X種目では優勝で飾ることが叶いませんでした。
しかし、同じ福井県のよきライバル、S水選手とともに10月末の全日本にもW1Xでチャレンジします。鋭いスタートダッシュが武器のY本選手、1000mでは強さを発揮しましたが、全日本ではY本選手よりもスタートが強い選手、そしてコンスタントで1本1本艇速をキープするトップスカラーを目の当たりにして、最初はいいレースができませんでしたが最終日のFinal Bではインカレ優勝となったR谷大・S沼選手と互角に近い1艇身を争うレースができて、大学チャンピオンと1秒差の全日本8位となることができました。2000mの強さを身につけて、競争の中で今後も力をつけていきたいY本選手のストーリーはまだまだ続きます。







RISING STAR~FILE 03

M方高3年 S水S選手
176cm65kg
W狭高のY本選手と同じく、こちらS水S(SHIMIZU・SORA)選手は福井県が誇る代表レベルのトップスカラー。176cmの長身でいかにも大きく漕ぐ長いレンジとパワーが魅力の選手です。エルゴもU19候補の中ではトップクラスで、2月のエルゴTTでは7'23のU19トップタイムをマークしていますね。世界で戦うにはまだまだこれからなので、未完の大器が世界のオープン選手に成長するかどうか、あと40秒くらいエルゴを伸ばしてほしい、そんな選手になってもらいたいですね。
インハイではW1Xで3位と、K松選手、Y本選手に敗れ相当悔しい思いをしたようです。全日本ではその悔しさをぶつけ、準決勝は3位に滑り込む形で何とか決勝に進みます。しかし決勝ではスタートも最高のものが出せて、得意のコンスタントも粘りに粘ってベストレース、元U23代表のS方選手をおさえて4位に入りました。あわよくばU23に五度出場の○TT・T島選手にも手が届きそうなベストパフォーマンスを見せたのです。
間違いなく2000m向きのオープン選手、S水選手はさらに力をつけて真の代表へと、これからのU23カテゴリーのチャレンジが本当の勝負になっていくでしょう。







RISING STAR~FILE 04

Y浜商業高3年 Y本K夏選手
今年の2021年福井県インハイW2X、地元W狭東高を破って優勝したのはY校(ワイこう)ことY浜商業でした。
Y浜商業の愛称は野球部のユニフォームYマークに由来するY校。そのY校ボート部のW2X、ストロークのY村Y乃(YAMAMURA・YUKINO)選手とバウのY本K夏(YASUMOTO・KYOKA)選手が優勝しY校のYYダブル、ワイワイづくしとなりました。Y浜商業のインハイ優勝は、なんと1962年の女子KF優勝以来、59年ぶりの快挙だそうです。Y校のすごいのは、W2X優勝だけでなく、W4X+も決勝4位となり、全員高校から始めたメンバーの多くがインハイ優勝レベルで競ったということです。
これまで神奈川県の高校ボートといえば相模湖で練習する県北のT久井高校、AI川高校が強く、都市部では横浜市日吉のK應義塾高、川崎市のH政二高、この付属高が全国レベルです。しかし近年、古豪だったY浜商業が神奈川県では男女揃って強さを見せるようになり、インハイ優勝は59年ぶりとのことでしたが、2014年には全国選抜W1X優勝も果たしており、2010年代からY浜商業といえば全国上位を常に賑わす強豪校の仲間入りを果たしていました。
このインハイ優勝ダブルも、インハイ4位クォドも、個人で言えば決してエルゴトップ10ランキング入りするようなフィジカル強者はあまりおらず、私が調べたところ20分エルゴでは4700m台を記録しているのはW2XバウのY本選手のみ。代表候補に選ばれる選手はいなかったようなのです。しかし、Y校の校舎すぐ近くを流れる地元の大岡川で普段は乗艇をし、休日にはもう少し距離のとれる相模湖ではるばるトレーニングに行くのが伝統ですがこの1年半、コロナで相模湖の活動も制限され陸トレが大半を占めたとのこと。
しかしY校ボート部には伝統のエルゴメニューがあり、2000mを全力2セット、このハードトレーニングをひたすら繰り返しレースの倍の距離を何度も漕ぐことで前半の強さだけでなく後半の粘りも養い、Y校W2XはH松西、M山東との競り合いから抜け出して後半のW狭東の猛追にも耐えて逆カンバス差での優勝を果たしたのです。そしてY校W4X+はスタートはK茂高と並びながら後半はS々黌、O谷南との競り合いを制し4位入賞となりました。
Y校W2XのY本選手とY村選手は、1年の時からずっとコンビを組んで家族よりも長い時間を過ごしたと言います。顧問先生のA田先生の手腕もさることながら、個人の力ではなくいざというときの団結力、チームワークで勝負するのがY校ボート部のスタイルなのです。







RISING STAR~FILE 05

Coastal Rowing Japan Facebookより写真掲載させていただきました
I治西高2年 Y塚S沙選手
まだ高2のI治西高の女子ダブル、バウのY塚S沙(YATSUZUKA・SASA)選手と、ストロークのY下M由希選手が世界2位の快挙!これは9月に突如という印象で入ってきたコースタル世界選手権のニュースですね。
私もコースタルRowingはどんなものかこれまで失礼ながらほとんど知らなかったのですが、私のように新競技に億劫で食わず嫌いだったRowing関係者も興味が持てるようになるといいですね!

コースタルRowingは、大きく分けて2つのレース形式。
まずコースタルローイング。全長4~6kmの比較的長い距離のレースをおこないます。これは普通に2000mレースRowingと同じような地の漕力、体力、技術が求められますね。
そしてビーチスプリント。こちらは砂浜ダッシュして波打ち際の艇に乗り込み、250m沖のブイをターンしてまた戻り、砂浜全力ダッシュで戻ってきます。こちらはRowingになかった「走る」動作、艇の乗り降りの機敏さも必要なので今までにない要素もあります。
どちらも海をメインに漕ぐので(大きな湖の場合もある?)、波のうねりや時にはチャンバラもあるなど、日本人にとっては障害物競走のようでもあり純粋体力勝負よりもゲーム性が増して、向いているかもしれないとRowing関係者が期待を寄せる理由でもあります。

日ボHPのコースタルRowing説明

種目はそれぞれコースタルもビーチも以下のようにボートならではの豊富な種目が用意されています。
男子M C1X、C2X、C4X+、C4+
女子W C1X、C2X、C4X+、C4+
混合Mix  C2X、C4X+

スイープもあるんですね。コースタルスイープ面白そうです。ただ男女混合に関してはスイープだとサイドバランス難しそうなのでスカルオンリーとなっています。

2021コースタル世界選手権、日本は長距離コースタルローイングにも短距離ダッシュのビーチスプリントにもどちらにも有志といいますか、社会人、高校生を中心にN野H志さんやスイフトのS名さんを筆頭に初めてといっていいくらい大挙エントリー。
たくさんの選手がコースタルRowingで活躍、楽しんだ中で、なんとビーチスプリントに出たI治西高女子ダブルの2人が決勝にまで勝ち進み2位銀メダルに輝いたのです。

World Rowingサイトより

I治西高は言うまでもなく高校ボート強豪校ですが、女子だけでなく男子もM1XとM2Xで健闘しM2Xは準決勝進出しています。
やっぱりこれまでのRowingと少し違って、テンションもたいへん高く、真剣勝負ではありますが楽しい要素のほうが大きそうですね。
こちらの動画を観てもらえると、説明するより一発でコースタルRowingがわかると思います。
2021ビーチスプリント世界選手権 最終日動画
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 8:10頃 CM1X N野H志選手
1:32:00頃 CJM2X 準々決勝
1:55:00頃 CJM2X 準決勝
2:08:00頃 CJM2X 決勝B
2:59:00頃 CJW2X 準決勝 こちらがベストレースですかね!
3:19:00頃 CJW2X 決勝 スウェーデンとの対決

ダッシュダーッシュ!Rowing!Rowing!ターン!Rowing!Rowing!ダッシュダーッシュ!
という感じです。
もちろん、静水の水上Rowingの実力がベースにあることが前提と思います。しかしそれ以外の要素も結果に大きく絡んでくるので、日本人には体格やパワーの差を細かい要素で補うことができそうですよね。
ぜひ、ビーチスプリント以外にもコースタルローイングも動画があるので見て頂き、それぞれの種目の魅力、駆け引きや海のRowingというオフロードRowingの面白さを楽しんでほしいと思います。
(World Rowing Coastal RowingでYoutube検索してみてください!)

さて、その世界2位に輝いたバウのY塚選手は、Rowingでも実力者です。
愛媛県の「えひめ愛顔(えがお)のジュニアアスリート発掘事業」で中学2年の時にボート競技に出会い、競技を始めます。I治RCに所属し、持ち前の下半身の強さと向上心で2019全中W1X3位。I治西高に入学する際、並行して続けた自転車競技をやめてボート1本に専念すると、高1ながら2020年、3年の先輩K上選手(現・W大)とのW2Xでインハイ代替大会2位に輝きました。そして今年、今治で開かれたコースタルのビーチスプリント選手権をきっかけに、おそらく出てみないかと誘われたことから代表にも選ばれ出場したコースタル世界選手権で、同級生のY下選手とともに世界2位となって一気に世界へRising!インハイでは惜しくもW1X8位となっていただけに嬉しくも楽しいシーズンラストレースになったことでしょう。
将来的に、コースタルと、従来のRowing、どちらをメインに選ぶかは分かりませんが、ボート選手として2000mレースのさまざまな種目、そしてコースタルと、どの種目も自分の適性と好みで選べる選択肢があるなら素晴らしいことだと思います!







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公益財団法人 埼玉県スポーツ協会Facebookより写真掲載
S立学園高2年 I上S乃選手
170cm60kg
さて、こちらも「えひめ愛顔(えがお)のジュニアアスリート発掘事業」でボート競技に出会った選手、I上S乃(INOUE・SACHINO)選手です。Y塚選手とは同じ発掘事業での同学年となります。愛媛県は本当にボート王国ですね。
ボート競技でのオリンピック金メダルをめざし、愛媛県出身のI上選手はJOCのJ-STARプロジェクト(ジャパン・ライジング・スター・プロジェクト)にも合格し、JOCエリートアカデミーの育成機関とも言える東京都S立学園高に2020年入学しました。
しかしコロナ禍はアカデミー生にも襲い、寮生活も活動制限で一時使えなくなり入学早々I上さんは愛媛に帰省せざるを得なくなりました。そのほかさまざまな逆境があったことと思いますが、そんな中でもS立学園高の先輩とともに実力をつけていきます。
S立学園高が強いという見方もできますが、このチームはJOCエリートアカデミーとして代表とオリンピックをめざすチームであり、元々競技の適性があるとして体力選考でも優秀だと認められ、そして最高の環境でスポーツを学び指導を受けている選手達です。順調に育って、ほとんどU19代表に選ばれていくのはやはりすごいことですが、全国各地から将来を見据えて育成された金の卵たち、シニアになっての世界的な活躍を期待したいものです。
今年2021年、残念ながら世界ジュニア選手権やアジアジュニア選手権への派遣はまたしてもコロナにより中止になってしまいましたが、I上選手はアジアジュニア選手権のU19代表に高2ながら見事に選出されました。
2021年2月の代表に向けたエルゴトライアルではI上選手は7'33、ともに高め合う先輩であるS川S新(SEGAWA・SANII)選手が7'27で、伸び盛りです。7'20台は目前ですが、2人とも170cm級の長身なので目標はもっと高く7分切りを視野に入れてほしいですね。
10月の全日本では、高2のI上選手がストローク、高3のS川選手がバウでW2Xとして出漕し、予選からパフォーマンスを上げて見事にIリスオーヤマ、K沢大に次ぐ3位に輝き大きくRising!しました。レーススタイルはひたすらイーブンペースでラスト追い上げ、第4では1'48の驚異のスプリントでIリスよりも3秒以上速いタイムを叩き出しました。
S立学園には同期のI塚選手をはじめ、頼もしい後輩もまた入学してきています。来シーズンもU19代表をめざし、今度は世界の舞台でさらなるRisingを遂げようとしていきます。







RISING STAR~FILE07

DソーFacebookより掲載させていただきました
Dソー2年目 M岡N南選手
170cm66kg T商業高出身
こちらは社会人から。Dソーで社会人でボートを始めたにもかかわらず、2年目で全日本W1X6位に入賞したM岡N南(MATSUOKA・NANAMI)選手です。
Dソーには、そのポテンシャルを見込まれたり、違う競技から転向して社会人でボートを始める選手が2010年代から多くなっています。かつてはDソーも高校ボートから高卒で入る選手が主体という、他の社会人チームと同じ路線でした。高校トップ選手が次第に社会人よりも大学に進む流れとなってきてからは大卒選手も増えてきました。その中で、Dソーは国立大ボート部出身者も積極的に採用するようになり、そして現在では他競技転向で社会人からボートを始める選手を増やしています。
バレーボールやソフトボールが多い印象ですが、特にC条選手のT商業ソフトボール部の出身者がDソー入社し、ボート部に入る流れができており、U林選手、そしてこのM岡選手がT商ソフト部出身のラインとなっているようです。
そのT商業の先輩、C条選手はDソーで大きく成長しそのポテンシャルと努力によって今年エルゴ6'57をマークし、K電のT野選手らとともにオープンのエースY川選手を追いかける代表選手にまでなりました。
M岡選手もゆくゆくはそれに続きたい。Dソーのハイレベルな環境でスカルの技術を高めて迎えたボート競技2年目の全日本はW1Xで出漕します。初日タイムトライアルでは同じ愛知の社会人オープン選手、T自動車のS原選手とはやや差がつきますがタイムは全体の5位につけます。続く2日目予選では元U23代表のS方選手と激しく競るレース。そして準決勝で先ほど紹介した高校の強豪スカラーW狭高のY本選手を破り決勝へ。決勝では代表級が揃う中でボート歴2年目のM岡選手はコンスタントでやや力負けしてしまいますが、初めての決勝ということで経験を積めばもっと実力を発揮できることでしょう。
6月の社会人選手権では最下位に終わってしまったW1Xで、大きく挽回し全日本ファイナリストまで一気に飛躍したM岡選手の成長ストーリーは、まだまだほんの序章です。来年以降、さらなるRisingに期待したいですね!







RISING STAR~FILE 08

T国際大2年 N野M恵選手
163cm57kg T賀工業高出身
さて、次はいよいよ大学生のRising Starです。今年のインカレでは多くの選手が活躍しましたが、インカレでトップ争いをした選手は3、4年生が多い印象でした。1、2年生の活躍は、高校から長く続けている選手が多かった感じですかね。全日本新人が2年連続で中止になってしまっているので、大学から始めた選手は3年生でもフレッシュに感じた今シーズンですが、なるべく1、2年生から選出したいと思います。
と言いながらも、ここでご紹介するT国際大のN野M恵(NISHINO・MOE)選手は経験豊富で、福井県T賀工業出身です。2019年茨城国体W1X優勝という燦然たる実績がありますが、実はこのときの国体は悪天候のため決勝進出クルーが全て優勝という扱いになった大会でした。N野選手が準決勝で破った相手は、U19代表のK藤選手、今年インカレ初出場のM九州大に進んだM崎北高のN口選手、先ほどのY塚選手と組んだI治西・K上選手がいました。この高3シーズンがN野選手にとってのRisingだったかもしれませんが、大学ではT国際大に進み、大学1年のインカレはW2Xで出漕し見事今度は実力で3位銅メダルに輝きます。対校メンバーといえる先輩のW4+はまさかの敗復落ちで敗れてしまったため、T国際大女子を救ったW2Xだったといえるかもしれません。
そして大学2年の今年、N野選手はインカレにW1Xで出漕。大学タイムトライアルでトップに僅差の全体2位ということで好調な滑り出し、1日目タイムトライアルではあまり振るいませんでしたが2日目予選でギリギリの接戦を制し3着で準決勝進出しインカレ3位以内を確定します。最終日のFinal BではR谷大のS沼選手に後半少し離されたもののインカレW1X準優勝。
T国際大女子の中で今年もトップの成績でチームを牽引し、個人としても準優勝ということで自己最高の順位を更新したのです。来シーズンは3年生となり、めざすは高3時での茨城国体での幻の優勝を超えることでしょう。そして、自他共に認めるT国際大女子エースとして、男女優勝に向けて駆け抜けていきます。







RISING STAR~FILE 09

D大1年 O合H乃花選手
168cm60kg H根東高出身
T国際大のN野選手とともに茨城国体で決勝進出を果たし優勝扱いとなったW1X選手は4人います。S立学園高3年でこのとき福岡選抜で国体に出たM田K子選手(現・R命館大2年)。S訪清陵高3年でインハイW1X優勝、長野選抜で出ていたT井M奈選手(現・W大2年)。前述のT賀工業3年のN野選手(現・T国際大2年)。そして滋賀県のH根東高2年で滋賀選抜として出ていたO合H乃花(OCHIAI・HONOKA)選手です。
O合選手はS田北中でボートを始め、2017全中W1Xで3位。早くから全国の決勝で戦う選手だったのです。H根東高のホーム、琵琶湖につながる彦根城のお堀は500mしかとれませんが、そのためスタートダッシュに磨きをかけて勝負するのが得意の戦法でした。そして課題の後半の体力にも取り組んでいました。参考記事https://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/5569
高2のシーズンはインハイW1X6位、そして茨城国体はいま見たように決勝進出で優勝。順風満帆で高3シーズンはさらに高いところをめざすはずでした。
しかし、コロナが襲い、ご存じのように全国大会は次々と中止。インハイだけは代替大会が急遽用意されましたが、参加する高校もあれば不参加の高校も多く、H根東高はおそらく出場はしていなかったようです。O合選手も受験勉強に専念し、ボートを続ける気持はなくなったといいます。
ところがD大を受験し合格して入学してみると、ボート部の門をたたく自分がいました。
「何かの縁で私は再びボートを続けています。ボート部が避けては通らないであろうエルゴが私は大嫌いです。けれども、部活をしなくなった途端なぜか少し恋しくなる時がありました。取り憑かれてるのでしょうか・・・。笑」
というO合選手。はい、たぶん取り憑かれていますね。(笑)
しかもD大は、O合選手のお姉さん(昨年引退)とお兄さん(現3回生)もボート部で、3人兄弟全員D大ボート部という珍しいボートファミリーとなりました。どうやら末っ子のH乃花さんだけ経験者というのも珍しいですよね。
お兄さんも対校M8+の7番で超実力者、H乃花さんは1年ながらその実力と経験で対校W4Xの3番を漕ぎ、D大クォドを過去最高順位のインカレW4X5位に躍進させた原動力となりました。
めざすは兄妹優勝!雄大な琵琶湖のはるか先へと、夢は果てしなく。D大のWild Rover冒険の旅は来シーズンがハイライトになりそうです。






RISING STAR~FILE 10

W大2年 H谷川S実選手
160cm55kg W実業高出身
次のご紹介はW大女子の中では比較的珍しい未経験選手、H谷川S実(HASEGAWA・SATOMI)選手です。
本当は未経験者なら今年はH橋大、K應大をはじめスポットを当てたいチームはたくさんありますが、このへんのチームは今年活躍した未経験選手が3、4年ばかりなんですよね。
W大女子はK應大女子と比べると昔から未経験選手は少なかったと思います。しかしそのW大で大学からボートを始めた選手は、ジュニア代表ばかりのようなトップ選手が集うW大女子の中で大いに鍛えられ、早い段階で活躍する選手が多かったと思います。私がよく覚えているのは少し前になりますが、2001~2004年に在籍した未経験漕手、H.M美(HARA・MEGUMI)選手です。H選手は高校時代チアリーディング部でしたが、W大でボートを始め2002年にインカレW2Xに抜擢されU19代表だったM手洗選手とのコンビで2年でインカレ優勝。3年、4年とインカレW4X+優勝し3年連続インカレ優勝、そして4年生の時には主将も務めたという、猛者揃いのW大を率いるにふさわしいスーパー未経験者でした。
当時のこのような記事もありました。
http://www2.wasedaclub.com/division/boat/news/rowing/backnumber/bn08.php
その他にも何人もW大には素晴らしい未経験者がいます。現在も、男子では1年生でいきなり全日本新人M4+2位になったH野選手が今年インカレM8+の6番で2位銀メダルに輝いています。

H谷川選手はW実業高出身、高校ではテニス部に所属し団体で関東1位になったり全国選抜に出るなど活躍していたようですね。しかし、大学から新しいことを始めたいと思い以前から興味のあったボート部に入部を決めたそうです。2年生の今シーズン本格的にレースに出漕し、お花見ではW4X3位、そしてW大M大C大のタイムトライアルでW2Xストロークを務め順調にスカル経験を積むと、インカレではフレッシュな編成でのW4+、スイープで挑戦することが決まります。バウに乗るH谷川選手をはじめ当初は慣れないスイープだったと思いますが、5人でタフな練習を乗り越え圧倒的なスタート先行力を武器に高いスピードを出せるまでになっていました。スタートで水をあけ、逃げ切るレースプラン。しかし決勝では課題の後半が最後まで克服できずインカレW4+5位。このW4+の可能性には、間違いなく未経験のH谷川選手の成長力も加わってのポテンシャルがあったと思います。春先からクルーを組むことが多かった4年生の先輩O槻選手から学んだこと、そして未経験でもW大の主力となるべく、来シーズンのH谷川選手のさらなる活躍に目が離せません。







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H海道大2年 Y岡E里選手
165cm57kg H尾学園高出身
未経験中心で強い選手を輩出し続けている北の国立大はT北大だけではありません。H海道大も強豪国立大チームとしての復活を虎視眈々とねらっています。インカレW4Xに2年で出漕したY岡E里(YOSHIOKA・ERI)選手。

H海道大女子部の強さは、2002年インカレW4+優勝もあったように、W4+をはじめとしたスイープの強さです。しかし何といっても2001年インカレW2-優勝ですね。H.K名子(HAYASHI・KANAKO)選手とA木(AKAGI)選手のH海道大W2-は、逆風の中決勝でW大、M大の2位以下になんと16秒以上もの大差をつけるぶっちぎりの優勝を果たします。逆風での優勝タイムの7'59は、ほぼ同時刻にU23代表で組んだインカレM2-優勝のM大のタイム7'25と比較しても相当なタイムであり、夏の無風で当時のインカレレコードを楽に更新する7'40切りに相当したのではないでしょうか。
このH選手はその後も2002年インカレW1X2位となり、この2002年にはH海道大はインカレW4+優勝、インカレW2-4位とインカレ決勝3種目を達成し金・銀・4位であり未経験大学としては全盛期だったかと思います。H選手はエルゴ7'20前後だったと思います。残念ながら、H選手は8年前頃に急逝され、大学ボート時代の活躍を偲んで同期の方達が寄付を募りエンパッハのシングル艇に故人の名を命名した「K名子」を現役に贈呈、そして桜の記念樹を植えるというH海道大にその思いと記憶を受け継いでいくプロジェクトが行われています。(この艇は今年のインカレではF女子大のH選手が使用したとのことです)
H海道大は1954年の全日本M8+を日本レコードで優勝するなど、たびたびこうしたブレイクの年を築いては、大学ボート史に残る活躍を果たしているのです。

そんなH海道大の先人の思いを受け継ぐ女子部、今回のインカレW4Xでは4年U野選手、バウに3年I井選手、そしてミドルペアには若手のY岡選手、O西選手の2年コンビが漕ぎました。結果としてはもう一息、経験不足もあったレースとなってはしまいましたが、定期戦を行うよきライバルT北大とともにインカレ決勝を戦う日を夢見て、そしてまた北海道勢としてO樽商大とも切磋琢磨し北海道ボートのレベルと意識を上げるために、北の雄はボートに情熱を注ぎ力を蓄えていきます。
これからのH海道大を引っ張っていくY岡選手とO西選手、しかし水産学部のY岡選手は来シーズンから函館キャンパスに移りH海道大水産学部として活動、1Xを漕ぐ予定だそうです。インカレでまた来年、H海道大女子の復活をめざして、そしてW1Xではエンパのレース艇「K名子」の艇上にY岡選手の姿があるのでしょうか。
いまのH海道大ボート部、東京都出身のY岡選手、愛知県出身のO西選手をはじめ、関東、東海、関西、九州など全国から集まっている選手が多いようです。さまざまな背景を背に、大志を抱き全国にH海道大の旋風を巻き起こすその日を待ちわびています。






RISING STAR~FILE 12

K戸大1年 M井K望子選手
156cm54kg T王寺高出身
Rising Star女子編、最後にご紹介するのはやはり未経験の女子漕手、K戸大1年M井K望子(MATSUI・KANOKO)選手です。
未経験で1年!?そう、なんとM井選手は大学でボートを始めているにもかかわらず、1年生ながらインカレではW4Xの2番として出漕したそうです。
K戸大といえば、今年のインカレはW4+が対校でメダルまであと一歩の決勝4位、過去最高順位タイとなりインカレの活躍は記憶に新しいところです。しかしK戸大はセカンドクルーも強く、基本K戸大女子はとても層が厚く強い女子チームです。しかしほぼ未経験なのですが、今回はW4+には経験者2人乗っていましたね。しかし、セカンドのW4Xは全員未経験です。そんな中で、4年2人、3年1人というW4Xに、ボートを始めてまだ半年の1年M井選手がインカレクルーに抜擢されたのです。K戸大の1年は、今なお男子20人女子10人とのことで、女子漕手も6人を数えるようです。M井選手は大柄というわけではなさそうですが、高校では水泳をやっていたということでその持久力などを見込まれたのか、やはりボートは水泳と相性いいようですね。

ボートを始めて間もない1年生をインカレに出す。これはあまり多くは見られない例であり、体力的に優れた新人はそれなりにどのチームにもいると思いますが、やはりネックは技術やレース経験です。このレースを経験させるという点でも、小さな大会やオッ盾などでデビューさせたり、新人戦まで待ってレースに出すのがほとんどです。ちなみに私もコーチ時代は何度か1年をインカレに出しましたが、やはりレース経験をさせるという意味で1Xで出てもらったことが多く、1年だけの4Xなども出したこともあるのですが、未経験の1年をクルーボートに乗せるというのはハードルがかなり高いことだと思います。
やはりK戸大W4Xも当初は苦労したようで、M井選手自身がたくさんの先輩に教わってレースを迎えたといいながらも、「漕ぐたびに私がクルーに迷惑をかけていることがわかってきました。こんな状態でインカレなんて出れるのか、ただただ焦ってどうしようもなく、1人で泣きました」と、何度も悩んでしまったそうです。この気持、先輩のクルーに乗ったことがあるほとんどのボート選手はいやというほど分かるはず!!共感の嵐だと思います。

しかしインカレクルーでのハードな練習の中で、あるとき脚で押している感覚に出会って、初めて「楽しい」と思えたそうです。自分がボートにハマった瞬間だと。それからは支えてくれる同期の存在もあり、「ボートを速く漕ぐこと」だけに集中でき、クルーのメンバーとして勝つことへ向かっていけたということです。
K戸大クォドは、予選はうまくいきませんでしたが敗復では経験者だけで固めるあの強豪T国際大にも1000mまでわずか2秒差で食らいつくことができました。この、強豪と競っている何とも言えないワクワクドキドキの高揚感。インカレ5位になったD大とも2艇身差。ただ、後半は落ちてしまい結果的には離されての5着で敗退してしまいます。
全力を出し切ったが、いまの自分たちではこれが精一杯。来年必ずもっと強くなってみせる。

そんな決意で、大学ボート1年目のシーズンはインカレという1年生にはなかなかできない大きな経験をしたのでした。
T北大のインカレW4X3位になった主将のK門選手も、1年からインカレW4X+に選ばれて貴重なレース経験をして、それがやはり大学ボートの原風景となって主将となりインカレメダルにまでたどり着いたのですね。
このインカレで、意識が変わる。大きく自分が変わるきっかけとなる。その気持、意識、行動を、同期に対して、そしてチームに対して共有し、皆で強くなる。
このインカレが、M井選手のようにまだ始めたばかりの選手が感じた感情を、大きな意識の飛躍として。将来のより高みへのRising Starとなるきっかけ、大きなエネルギーとなるように。









いかがだったでしょうか。前編から盛りだくさんの内容でしたね。
2021 RISING STAR、後編に続きます!

次回の更新は男子編、リストアップはしているのですがしばらく忙しくほとんど進まないと思うので、もしかしたら年内に更新できないかも?その場合はご容赦ください。






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○TT東日本のS々野選手のTVドキュメンタリー番組出演を記念して、当ブログでのインタビュー記事を再掲載させていただきます。2017年11月20日の記事で、もう4年前のことになりますね。

もしまだご覧になったことがない方は参考になる部分があるかと思いますし、以前読んだ方もまた違ったアイデアや考えが生まれるのではないかと思います。
もう再掲載するのも2回目になりますが、Rowing談義の創造的空間は時が経っても全く色褪せることなくその時間と空間のなかで輝いています。Rowing意識が高く、常にボートのことを考えながら社会にも目を向けている人との話は本当に次から次へと多くのイマジネーションと発想を生み出す魔法の時間です。そして、とても楽しい時間となります。T田中クラファンのページでも、W大ボート部ご出身のNHK大アナウンサーであるK屋F士雄さんも「ボートは創造のスポーツです」とのメッセージが寄せられていましたね。

できればもっとこうしたワクワクするインタビュー記事をもっと書く機会があればいいのですが、コロナでなかなかできなくなってしまいましたからね。当ブログのインタビュー記事は数年に一度くらいの頻度になっていますが、またチャンスがあればという感じです。

ぜひ若い学生の選手も、成熟した社会人選手も、日本一、世界一の選手めざして夢は大きく、Rowingを究めて楽しみ尽くす日々を送ってください。そして、Rowingのコミュニケーション、会話、言葉のやりとりを、たくさんたくさん創造し増やしてください。偉大な指導者や先達の言葉を自らの意識に取り込み、それらを仲間と交わし、自らの経験や思考と戦わせ、意識を更新する日々を。ボートのことを考え尽くす日々が、そのままボートの速さとチームの高いレベルの意識へとつながっていきます。

それと、残念ながら東京五輪では実現しませんでしたが、五輪でのJAPANエイト挑戦の夢、まだまだあきらめていませんよ!!
いつか必ず。






2017年11月20日記事

「アスリートインタビュー!~FILE-10」

2年半の沈黙を破って再びブログに登場、Rowing選手のインタビュー。2015年4~5月に連載し、一部で好評を博しましたこのシリーズ、以前から機会があればと狙っていた社会人トップ選手へのインタビューが実現!

帰ってきたRKこと「Rowing no Kokorozashi」が日本Rowing界の世相にズバッと斬り込み快刀乱麻、奇想天外なジャーナリストぶりでアスリートの真実と本懐に迫るという、ブログ紙上を所狭しと駆け回るドタバタ活劇だ。ちなみにRKとは、WRこと「World Rowing」のパクリにほかならない。いや、WRにおける数々のインタビュー記事のひそみにならって、リスペクトしつつ日本でもRowing専門誌のような記事をと、意欲的な記事作成をめざしたのが事の発端である。透徹したジャーナリズムこそが日本Rowingを活性化し意識の錬成を促すのだ。と同時に、Rowingの魅力とは人の魅力、すなわちRowingに関わる選手たちそのものの魅力であるという確信が魂を衝き動かしているところも大きい。ボート選手こそがボートの魅力。若きアスリートたち、生き生きとその燃え盛る生命力を艇上パフォーマンスとして躍動させよ!


今回のアスリートは何と、2年連続M8+日本一になったばかりのホットな選手、天下の○TTM8+において百戦錬磨かつ無敵のトップ漕手たちをリードする艦長であるCOXのS々野H輝選手だ。
2年連続日本一となったエイトのCOXであるS々野選手、実は以前からRKとは個人的に何度かお会いしてボート談義を交わし、メール等のやりとりもさせていただいている方である。以前会った際に、「今度インタビューをお願いします」と依頼していて、今回、「いいですよ!なんかこう、ムーヴメントを起こすなら今かなという気がします!」という熱いやりとりののち、全日本選手権優勝の直後という絶好のタイミングで実現に至った。時には起こせよムーヴメント、というわけであり、それは何かと言われれば東京五輪COXムーヴメントだ。日本ボート改革ムーヴメントにもつながればよい。

戸田の某店にて行われた4時間半というロングインタビュー(実話)。よって、今回の記事も長文注意だ。COXの真髄について語り尽くす熱のこもった漢たちによる対談という名の格闘がいま始まる―。(N○mber風)







Rowing no Kokorozashi(以下RK):まずは全日本M8+2連覇、おめでとうございます。○TT、たいへん強かったですね。
S々野H輝選手(以下SH):ありがとうございます。山内さんは世界選手権帰りのA川選手がM1Xという予想をしてましたけど、M8+の6番でしたよ。
RK:本当にパワフルなクルーでしたね。エイトのことはのちほど色々聞かせてください。ところで、S々野さんは私のブログも読んでくださっているということで、日本一のCOXも読んでいる「Rowingの志」というアピールをしてみたいのですが(笑)、どの記事が印象に残っているか知りたいので教えてください。
SH:いつも欠かさず読んでいるわけではないんですけど、COX技術論の記事はひととおり読ませてもらったと思います。
RK:いつも読んでいますと言ってください(笑)。あの記事はCOX技術を具体的に突き詰めようと思い立ったのがあり、S々野さんとは初期のやりとりで技術についての意見交換もさせていただきましたが、ああいうやりとりがヒントになったのがきっかけで出来上がった企画ともいえますよ。
SH:あ、でも山内さんのブログ、僕のスマホ画面にはちゃんと登録してありますよ!
RK:ありがとうございます!S々野さんのスマホにブックマークされている「Rowingの志」ブログ、それだけで箔がつきますね~(笑)。
SH:「COX技術論」の「世界のCOX」のことが書いてある記事は良かったと思います。アメリカ女子COXメアリー・ホイップルと、カナダ男子COXのプライスでしたね。海外有名選手への興味はマニアックな知識だけではなくて、背景や戦績など色んな情報があることで興味が広がって、真似したいとかこういう選手になりたいといった気持を起こさせてくれると思います。強くなりたい、上手くなりたいという純粋な動機にもなりますし。僕は小中とサッカーをしていましたが、スーパープレー集みたいなビデオを観ることもありました。ボートでは、「良いフィニッシュ特集」なんてのは難しいと思いますけど(笑)、やっぱり、憧れって大事ですよね。
RK:今回のブログ記事でも、S々野さんが日本全国のCOXの憧れになるよう貢献できれば何よりです。

RK:初めてS々野さんと連絡をとりあうようになったのが、2013年のまだT北大4年でいらした時だったと記憶しています。ちょうど東京五輪が決まったとき。
SH:そうでしたね。山内さんの東京五輪決定のブログ記事を見て、COXが五輪に出られる方法はないかということをお聞きしましたね。
RK:あれから4年経ちましたね。行動を起こすなら今、ですか。
SH:もう時間がありません。日本ボート界には、ぜひエイトで世界に挑戦できる道すじを用意してほしいです!



〈プロフィール〉
S々野H輝
身長:172cm
体重:55kg(レース時)
年齢:25歳(今年26歳)
ポジション:コックス
サイド:バウサイド(稀に漕ぐとき)
経歴:福岡県立T筑高校→T北大学教育学部教育科学科→○TT東日本
漕歴:11年(高校から始めて、社会人で4年目)
出身:福岡県



RK:COXとしては背が高いですよね。私は166cmほどなんで。
SH:そうですかね。でも、180cm近いCOXもいますし。
RK:私の後輩COXも172cmでしたし、確かに170cm後半のCOXもいますね。減量がたいへんだと思いますが。
SH:今回の全日本、減量は苦労しました。日頃から体重には気をつけているのですが、今回は減量開始時に増えすぎてしまっていたので直前の追い込みはちょっとしんどかったです。


RK:ボートをはじめたきっかけを教えてください。
SH:高校での勧誘です。入学して、勧誘で声をかけられて初めてボートというスポーツがあることを知りました。高校からはまだやったことのないスポーツをやろうと考え、弓道と悩みましたが、試乗会でボートを漕いでみて、それまでに経験したことのない新しい感覚を純粋に楽しいなと思って入部を決めました。あとになって漕がない人が前に座っていることに気がつくのですが・・・。
RK:S々野さんは初め漕手だったんですか?
SH:漕手と言っても、最初の3カ月少し漕いだくらいですね。先輩は僕の小さな身体を見てコックスにしようと決めて声をかけたらしいです(笑)。
RK:そのあと身長が伸びたんですね。私も多少は陸トレ乗艇エルゴはやりましたから、漕手からの転向とまではいえませんね。私と同じで最初からCOX専門といえますね!
SH:強い部ではなかったので、全国大会に行けるよ!という威勢のいい誘いに惹かれたとか、先輩が大学で続けるという土壌もなかったので、推薦で有名大学に行けるよ!とか、そういう謳い文句や理由ではなかったですね。

RK:でも、高校では国体に出られたんですよね。ご出身は福岡県北九州市で、進学校のT筑高校とのこと。
SH:国体といっても準決勝ですし、インハイや選抜にも出ただけという感じで。顧問の先生はボート部歴はそれなりに長かったのですが、競技経験は無く、どちらかというと、僕たちにあれこれ指導されるわけではなく自分たちで考えて取り組むというスタンスでした。T筑高校は僕のときではありませんが、インハイM4X+4位が最高だったと思います。
RK:指導者が特別いないのに全国4位というのは相当な快挙だと思いますよ。高校ボートは名指導者揃いじゃないですか。自分たちで考えてクルーやチームを作っていくという文化ができたのは素晴らしいですね。




今回の記事ではご本人承諾のもと○TT東日本ボート部公式サイトよりいくつか写真転載させて頂きました

〈ボート選手としての主な実績〉
【T筑高校時 2007~2009】
2008年 国体少年M4X+ 準決勝ベスト16(高校2年)
【T北大学時 2010~2013】
2011年 全日本M4+4位、全日本新人M4+4位
2012年 インカレM8+6位
2013年 インカレM8+4位(大学4年)
【○TT東日本 2014~2017】
2014年 アジア大会M8+銀メダル(社会人1年目)
2016年 全日本M8+優勝 (軽量級、社会人、OX盾、全日本すべて優勝の4冠)、アジア選手権M8+準優勝(○TTが日本代表として単独クルーで出漕)
2017年 全日本M8+優勝 (全日本社会人M8+優勝、オックスフォード盾レガッタ優勝。国体成年M4+準優勝)


RK:最も印象に残っているレースを挙げてください。
SH:2013年インカレ、M8+準決勝です。T北大M8+がインカレ決勝を決めたレースです。
RK:このレースを選んだ理由は?
SH:僕の先輩Y崎さんの、大好きな言葉からお借りします。「この時期ボートに対する気持は特別だったため」。それが理由です。
RK:Y崎さんは、S々野さんのようにT北大から○TT東日本でボートを続けられ、日本代表にもなった方ですよね。1995年T北大インカレM8+優勝の7番ですね!
SH:そのY崎さんが、2005年世界選手権岐阜大会でのパンフレットに載せた言葉なんですよ。「この時期」というのは、その1995年インカレ優勝のときのレースのことですが、僕にとっては2013年のインカレがまさに「この時期」だった。

SH:僕は高校で実績もなく、志願兵みたいな気持で大学ボートに飛び込んでいきました。高校の時、ある方にT北大のボート部をすすめられたんですが、それがきっかけとなって強い国立大に入って私立大エリートたちに勝ちたいと思うようになりました。ボートをやるためにT北大に入ったんです。
そこで、東日本大震災に遭いました。新2年になる直前の3月11日です。名取市にあったT北大艇庫は津波が2階まで達してボートはバキバキに折れ 、仙台での練習環境を失いました。(注:T北大ボート部は当時戸田艇庫に春合宿に来ていたため部員は全員無事だった)その後全国のボート有志の方々から多大なる援助や寄付を、T北大ボート部のために頂いたんです。H海道大からの寄付などは、自らの年間予算よりもはるかに大きい額にまで上ったと聞いています。
RK:すごい話です。震災わずか2カ月後、5月の軽量級ではT北大LM4-が見事準優勝しましたよね!震災に負けない、復興への希望だとNHKのニュースに取り上げられ、私は録画して今でもとってありますよ。
SH:そこまでしてもらって絶対に負けられない2011年インカレ、臨んだM8+。しかし敗けて、敗復落ちとなりました。震災があった年、ものすごく支援をしてもらったのにも関わらず敗復落ちだったんです。(注:T北大は優勝1回、準優勝2回を含み確か16年続けてきたインカレM8+最終日が、この年の敗復落ちで途絶えてしまった)
僕は2年生で残念ながらこのM8+に乗っていませんでしたが、ここから這い上がろうと。ここから再スタートが始まったんです。
2012年、前年の敗戦でこのままでは終われないと、2人も希望留年した先輩がいまして、この年準決勝でW大に2秒届きませんでしたがインカレM8+6位。
RK:順位決定、S台大との東北対決は名勝負でした。毎日更新ブログで有名だった「塾長日誌」でおなじみ、H海道大からT北大院生になったO田さんもバウで乗られていましたね。

SH:そして2013年、僕の大学ラストシーズンです。この年も留年した6年目の選手がストロークとして続けていましたし、僕の同期漕手3人全員が乗っていました。
RK:今年M4-で速かった選手も2年ながら4番に乗っていましたね。今につながるM8+でもありましたよね。
SH:震災から這い上がろうと、どん底に落とされた敗復落ちを挽回すべくここまでたどり着き、自身最後のインカレです。大学でボートを続けるときに決めた目標であるインカレエイト優勝、ここでやらなければいつやるんだと、クルー全員が燃えていました。このインカレ準決勝、相手は前年も準決勝で敗れたW大とC大がいて、そのほかT大もいました。しかしT北大M8+のクルーが一つになってスタートで出て、その後U23代表になるN田君ストロークの強豪W大にコンスタントで出られますが、スパートで差すというボートの楽しいところを存分に味わったレースでした。好順風でしたがスタート500mで1'22が出て、5'47という戸田でのT北大M8+歴代最速レコードを出すことができました。
RK:「この時期ボートに対する気持は特別だったため」とは、そういう流れがすべて背景にあっての言葉だったんですね。
SH:残念ながらインカレM8+決勝では飛ばし過ぎてうまくいかず、4着と敗れてしまいましたが・・・。スタート500mまでは日本一だったんですけどね(苦笑)。
憧れて入ったT北大の成績も悪くなり、震災にやられて艇庫も使えなくなり、練習場所も変わった。しかしそこからエイト優勝をめざして、一から皆と一緒にクルーとチームを立て直し、2年間でインカレ決勝の舞台にまで戻ってきたんです。

(この話をしていくうちに、特にたくさんの支援を思い返しながらだんだん目がうるみはじめ熱く話すS々野さんを見て、本当に多くの人の気持とあふれんばかりの思いを乗せていたのだとRKは感じた。インカレにかける思いは多くの人たちの思いと希望を乗せ、そして情熱と若いパワーを増幅させる。まさにインカレがボート人を大きく成長させるのだと)





RK:T北大でも活躍されたS々野さんですが、社会人強豪チーム○TT東日本での活躍についてもお聞きしたいと思います。トップチームの動向や情報は多くのファンの関心の的です。○TTの強さと今年の全日本についてお聞かせください。
SH:今シーズンは、全日本に至るまでに社会人選手権、東日本選手権、OX盾にM8+として出漕しました。全日本社会人では、ベストメンバーではなかったんですがタイム5'44が出てまずまず、東日本は優勝しましたが社会人選手権からの大きな積み上げはできず。個人的に大きかったのは9月頭のOX盾でした。代表選手6人不在で(世界選手権のA川選手、アジア選手権のT野選手、O塚選手、N溝選手、A木選手、M浦選手の計6人を欠いていた)、国内の漕手が8人ぎりぎりという状態でOX盾M8+に臨みましたが、逆に誰一人欠けてはいけないという意識が一体感を生み、良いパフォーマンスで優勝。初めてM8+で優勝できたという選手もメンバーにいました。その後、代表選手が戻り国体を経て全日本M8+を組みましたが、これが最初は全然調子上がらずスピードと感触がイマイチでした。
RK:○TTほどのチームでも、全然艇が走らないことがあるというのは意外な気もしますが、私も長年ボートに関わりトップチームだからといっていつも調子が良いなどということは決してないということは分かってきました。こうした調子の浮き沈みは世界を見てもよくあることですね。
SH:しかし、直前で一気に変わりました。ロウパーフェクト(4人連結エルゴ)で合わせるなどこれもきっかけの一つでしたが、暫定クルーを全日本前に組んだ時から、メンバーの入れ替えもあるぞとコーチに言われていて、最終的にクルー決定したのが全日本の約1週間前です。
RK:ええっ!?そんなに直前だったんですか。
SH:でもそれがOX盾のときのようにクルーがまとまるカンフル剤になったのかもしれません。M2-は残念ながら4位でしたが、M8+優勝、M4-優勝という結果につながったと思います。
RK:聞くと現在チームは漕手14人体制ですからね。これをいかにクルー編成しいずれも結果に導きクルーとして仕上げていくか。社会人チームでも、このへんコーチやチームリーダーによる編成マネジメントや人心掌握などがカギになってくるのは大学チームと同じ、人事面での戦略的な動向や作戦は興味深いところです。



RK:S々野さんの公開した2017全日本M8+決勝のコール動画、今回話題になっていますね。私も見させてもらいましたよ!
SH:あれについては自分が意見を聞きたいくらいなんですよね。いくつか反応をもらって、良いと言ってくれる人が多かったので意外でした。もっと否定的な意見もあるかなと思いましたので。
RK:私も常にブログに関する意見を色んな人に聞きたいところがあるので少し似ていますね(笑)。人は何か発信をすると、よりよくしたいと反応が欲しいものなんですよね。
SH:コール内容はどうでしたか?
RK:私の個人的な意見になりますが・・・。まず、私も自分の理想に合っていて良かったコールだったのではないかと思います。スタートのスパートにはじまり、脚蹴りの水中コールが何本も入っていますよね、地点ごとと勝負どころだけとかいう生易しいものじゃなく、ほぼ常に。500mの間に10回くらい水中コール入ってるんじゃないでしょうか(笑)。極論すれば脚蹴り200本が2000mレースであり、常に全力のドライブを続けるのが重要ですから、あれでいいのでは。第2でも絶対出てやるんだという感じ、あそこで完全に主導権を握ることに成功し、良かったですよね。むしろ第3が落ち着いて高い声のトーンもやや落ちていた場面があり、もったいない気がします。
「2017 第95回全日本選手権 エイト決勝(COXコール付き)」

SH:なるほど。確かに第3Qが少し落ちてしまっています。
RK:レースは生き物だから、レベルが高くなるほどスピードを先に落とした方が負けになりますが、勝負どころが展開の中で次々やってきますからね、水中コール連発はむしろ必須です。しかしただ上げるのではなく、COXは水中の「張り」「弛み(ゆるみ)」に敏感でなくてはいけない。「ゆるめるな」というコールがありましたが、あれはいいですよね。弛みは緩みでもいいのですが、強くてつながった張りのある水中が、まったり弛んでしまうとスピードが落ちリズムが重くなる。エルゴでは毎ストローク、タイム表示として出てくれるので分かりやすいですが、艇上ではそれをCOXが感じてマネジメントしないといけません。水中マネジメントです。
SH:水中マネジメント!このキーワード、好きそうな部員の顔が浮かびます(笑)。

RK:COXの語彙は、反応してくれなければ困るのでキザっぽくなりすぎない程度にとっておきの表現があるといいですよね。水中マネジメントが艇速のマネジメント、タイムのマネジメントになります。あとは、漕手は疲れが来て乳酸との戦いになる前に、集中力との戦いになるので、この集中力をつなぎとめ鋭敏にさせ続けるサポートをCOXがしなくてはいけません。どこかで意識が飛んだり散漫になったりするじゃないですか、集中がなくなると即水中が鈍ってきますので絶対に集中を続けさせるようにします。
私は現役時代はCOXとして実力がありませんでしたが、コーチをやってエルゴ2000mT.Tのコール役をひたすら経験することで鍛えられた気がします。あれは、漕手と傍らで付き添うコール役との完全に共同作業ですし、2000mコール役も一緒に一体化して集中しないと漕手の刻一刻と変動する心技体に対応し調整することができません。漕手が揺れ動くのは、出力、集中、身体リズム、音感によるRowingのリズム、緊張度合とリラックス、攻める気持、自信、勢いに乗れているかどうか、タイム表示に振り回されるメンタル、ベストへの強い執念と平凡なタイムへの妥協、などさまざまです。コール役も一緒に2000mを戦い、タイミングと言葉の選択と集中力が相当養われます。安定して強い水中と一定のリズムを継続することが目的です。それがイーブンペースのハイレベルなタイムやベストスコアにつながります。あれで個人的にはかなり鍛えられた気がしますね。漕手のT.Tは一発で終わりますが、コール役は4、5回連続して付き添ってレースやりますから。
SH:たいへん勉強になります。
RK:S々野さんのインタビューなのにこちらが語ってしまって申し訳ありませんが(笑)、それくらいコールは重要だと思うんですよね。レベルの高くないクルーがただ脚蹴り連発しても失敗すると思うので、こういうのは漕手もCOXもレベルアップしていくことが大事だと思います。逆に例えば、ずっと我慢して勝負どころだけの脚蹴りイベントで勝ったレースもあります。答えは一つではないと思います。

SH:ちなみに、うちのチームでは脚蹴りとは言わず、「アタック」と呼んで統一していますね。あと、アタック10本とか言っても数えてるのは最初の数本だけでしたね(笑)。
RK:まあ、本当に10本全部数えられてもね(苦笑)。5本目くらいで言ってるこっちも飽きちゃうし、雑念が入ったり他のことが必要になったらそっち優先でOKでは。要はコールの声のパワーとかも大事ですよね。
SH:技術的には、「前から」の立ち上げ、それと「体重乗せる」、「フィニッシュポジション」、ここをポイントにコールを入れていました。
RK:「前から」はキャッチの立ち上げなので、大きい艇になるほど最重要ポイントですよね。「体重」は、体重と重心の混同に注意しないといけないですよね。(S々野さんと体重と重心のイメージが一致していることを確認)
それから、「キャッチポジション」ではなくて「フィニッシュポジション」を重視されていたんですね。
SH:ストロークのT野選手がフィニッシュを(身体の角度で言うと)浅くとっており、リカバリーで体重を戻すのが早いために、あとの選手の方がフィニッシュで後ろに重心が残る傾向がクルーの課題だったんですよ。早く重心を切り替えるためにフィニッシュポジションを深くとりすぎないこと、そして強く押し切ることを意識してもらっていました。
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RK:○TTの強さの秘訣は何でしょうかね?
SH:やはりパワーのある選手が揃っています。そこに尽きるでしょう。
RK:確かに、パワーこそ安定したパフォーマンスを発揮します。一番信頼できるテクニックだといえるかもしれませんね。M8+のエルゴスコアは?
SH:そこは了解をとっていないので個々には公表できませんが、エルゴのクルー平均は20秒は切っています。
RK:おお、やはりすごい数字ですね。
SH:計算上はM8+なら5'43が出るはずなんで、今回もそれくらい出たのではと。
RK:無風でそれくらいでしょうね。5'40切れるポテンシャルはあるでしょう。
SH:そこはまずクリアしなければいけないタイムだと思っています。

RK:決勝のレースプランはどのようなものだったか聞いてもいいですか?
SH:レースプランは事前に決めています。コーチと漕手で確認し、どこでアタックして、どこで切り替えるか。切り替えとは、スタートからコンスタントのところですね。
RK:ここが永遠のテーマですね。スタートからコンスタント。飛ばし過ぎではもたないし、短いまま効率の悪い漕ぎになってしまう。コンスタントで落ち付け過ぎると水中の強さやレートが低くなってしまう。リオ五輪のアメリカW8+も、飛ばしてきたカナダとオランダに対し先手を譲りますが序盤のリズム作りに神経を使って世界一のコンスタントを作り、中盤以降堂々と抜き去った。
SH:今回スタートは、特別相手より出ようとはしていません。スタートスパートのまま300mを大きく過ぎてしまうと、結局乳酸が溜まり後半に落ちるからです。無酸素は40秒までです。
RK:いわば40秒ルールですよね。私も必ずそこを意識して、それ以降のスピードは有酸素で対応しないと負債を抱えたレースになります。エルゴでは相手とのレース展開がないのでそこを遵守させます。しかしレースはタイム表示を確認しながら漕げるわけではなく、勝負と位置取りとスピード感の展開があります。展開を読んで、40秒以降まで引き延ばすかどうか、ここが戦術の駆け引きになります。
SH:今回は少し伸ばして結果的に1分くらいで切り替えになりました。そのために第3Qで少し落ちてしまったかなと見ています。
RK:結局、勝負を優先するか、トータルタイムを優先するか。一見、結局はトータルタイムがいいほうが強いということになりますが、必ずしもイーブンペース最強というわけでもなく、戦術面での先行策は後続クルーの力を思い通りに発揮させなくすることができます。
SH:そうですよね。できれば先行して、相手を見てレースを有利に進めたいですからね。

RK:来シーズンはどうなんですか?M8+は3連覇に向けて。
SH:そうですね、そこが目標になります。うちのチームでは全日本のエイトが絶対なんです。これまで全日本M8+4連覇がチームの最高記録なので、5連覇をめざして頑張ります。




    *********        *********




RK:では、COXのS々野選手個人について、もう少し内側に迫っていきたいと思います。COXとしての自分の特長は何ですか?
SH:うーん、特長はないですよ。社会人トップチームに入って正直、色々と技術的な壁に苦しんでいます。僕は才能溢れるCOXと比べてセンスはないし、COXに向いているなとも実はあまり思っていないんです。今年の代表COX選考では、乗り比べによる落選を経験しました。
RK:それではちょっと(苦笑)。特長はありますよ、自分で言うのは難しいかもしれませんが。
SH:けっこうネガティブなんで。強いて言えば、「見捨てないこと」(自分も他人も)ですかね。頑張っている人に付き添ったり、一緒に向上しようと、どこまでも付き合えることです。
RK:それってコーチに必要な姿勢かもしれませんね。S々野さんは教職もとられていたそうだから、教師としても必要なことかも。
SH:ラダーも器用で上手なタイプではないし、思ったこと感じたことをすぐに言葉にできるわけでもない、そんなCOXです。しかしM8+は組織の力であり、個人の力で進める艇ではありません。時間をかけて信頼を築くことができるのではないかと自分では思っています。
チームの先輩COXだったO村さん(2000~2013年○TTの正舵手)は、話を聴いて想像する限りでは、良い素材と自身のセンスを生かして素晴らしい料理を作り上げるシェフというイメージの人ですが、自分は肥料から始めて種をまき育て見守るようなタイプではと。例えば先ほど言った今年のOX盾M8+ですが、僕が間に入ったりして地道にはたらきかけたこともあってか、漕手同士で教え合ったり、コミュニケーションを密接にとるようになりました。それによって、今まで伸び悩んでいた漕手が生き生きとし始めたんですね。プライドの高いエリート選手の集まりであるこのチームには今まであまりなかったことで、そういうきっかけづくりになれたのではと。
RK:それってとても大切なことだと思いますよ。COXってまさにそういう潤滑油の役割というか、間に立っての媒介の役目を果たせる存在と思っています。
SH:触媒とでもいうんですかね。そういう地道で陰のはたらきなら自信はあるのかなと。そもそも、漕いでもらわなければCOXがいるだけではボートは進まないですからね。ひとりでは何もできないんです。
RK:今風に言えば陰キャですか!?(笑)よく意味を知らないで私も今使ってみましたが。しかし、陰のはたらきあってこそ光り輝くクルーがいるのだし、陰に徹してきた私などからしたら、陰こそ主役だと思っていいと考えます。COXはもともと見えないはたらきをする存在ですし、立派な特長ですよ!



RK:好きな種目とその理由は?
SH:もちろん8+です。理由は一番難しい種目だからです。難しいからこそ、チャレンジしたい。例えば4+の4人や5人はまとまりやすい。グループ単位としてもベストな人数だと思います。でも、9人はまとまりにくい。人間関係の構成人数としても難しいですよね。艇としても難しい。それだけに、チャレンジしがいがあるんです。
RK:確かに、人が多いし艇は大きいし、一番難しい種目だからこそエイトは特別なんでしょうね。
SH:あと、2+にも興味ありますよ(笑)。
RK:いやー、あれは面白いですよ。たぶん、COXにとっては一番自分が動かし関与している感があるんじゃないでしょうか。
SH:M2+、M4+、M8+のCOX三冠を達成した人はいるんですか?
RK:いえ、さすがに知りません(笑)。それ三冠なのかも知らない(笑)。インカレならN大あたりにいてもおかしくないですが、全日本となるとどうですかね、いないんじゃないでしょうか。
SH:これも、COXとしては目標のひとつですね(笑)

RK:尊敬するボート選手やボートに関わる人を教えて下さい。身近な人でもOKです。
SH:三人います。A部さん、T辺さん、M澤さん です。
そうですね、まず、T辺さんからいきます。(C大出身、元日本代表)○TTの前監督をされた方で、人として尊敬しています。紳士で、まめで、とても丁寧な方です。自分に厳しく、人に優しい。僕が○TTに入るきっかけとなった監督でもあります。そして決してボートが強いとか実績とかを自慢しない人です。3度もオリンピックに行ったすごい人なのに。結果や成績を自慢することはないですが、やりきったことの話は聞いたことがあります。僕にとって、この人とならボートがなくても一緒にいたいと思える人です。
それから、M澤さん。T北大の現ヘッドコーチで、先輩です。ボートに対する情熱、もうその一言です。インカレM8+優勝の代、先ほどのY崎さんと同期の方です。
RK:長年T北大に関わっていらっしゃいますね。男子のM8+実績、近年は女子の全日本実績と、名指導者ですよね。背はたぶん私と同じくらいなのに、漕手としてインカレM4+準優勝、インカレM4X優勝の実績をお持ちであることを知っています。
SH:最後にA部さんです。(C大出身、元日本代表、現S台大監督)こちらも、たいへん尊敬しています。会うとボートの話になるのですが、どちらともなく話していたのに、「ごめんね、引き留めて。ありがとう」といって、去って行かれます。必ず一歩引いて、めちゃめちゃかっこいいんです。
RK:A部さんのお人柄は、色んな方面で聞くところです。まさに紳士、カリスマですよね。A部さんを慕って、全国からボート選手が集まっていきます。ボート競技が誇る人格者、人間性の鑑でいらっしゃる。私もボートに関わる者のはしくれとして、そんな人たちのつくるクルーだからこそ、偉大なライバルとして勝負し、かつ学びたい成長したいという気持にさせてくれます。


RK:ボートのここが好き!ボートの魅力とは何でしょうか。
SH:そうですね・・・。努力である程度のところまで行けて、それに応えてくれるところですかね。自分を肯定してくれます。あと、もう一つの魅力はヒーローがいないこと。特にエイトです。誰かが突出していても勝てない。何というか、「全員が同じタイミングで同じ内容について悩み、全員が同じタイミングで喜べる」というのが魅力かなと。
RK:確かに、全員が揃って同じことで悩んで解決しようとする日々ですよね。
SH:ボートは結果に対して全員が責任を持ちます。そこで実力の差や個々に違いがあっても、それは全員の責任になります。例えばキャッチやフィニッシュなど、全員が同じことに同時に解決に向かっていきます。他のチームスポーツでも、なかなかここまで課題や責任が1つのこととして共通しているスポーツって少ないですよね。
RK:それこそが究極のチームスポーツと呼ばれる理由だと。
SH:また、精神と肉体が限界の状態でクルーに対してどうふるまうのか、自分とクルーとどう向き合うのか。自分を出すのか、それとも引くのか。何か、常に試されているというか、葛藤の連続なんですよね。こういう極限の中で人間性を高めてくれるのがボートという競技だと感じています。




RK:現状の課題は何ですか?
SH:ラダーは常に課題ですが、クルーによって異なるのでこれは置いておいて。
僕の課題は、短い言葉と、瞬発力ですかね。社会人チームに入った当初は、極端なくらい考えてしゃべるタイプでした。しゃべるのに準備が必要なんです。考えてしまう。しかし、今のチームで必要に迫られたというか、考えないでどんどんしゃべれるようになってきています。
RK:なるほど。例えば若いときは口が動かないことはよくあるかもしれませんが、それもトレーニングというか日常での必要性で大きく変わるでしょう。無口が饒舌になる例はたくさんあると思いますし、慎重すぎて口が重かったり腰が重いと組織で動けない。
SH:乗艇中に、以前は長ったらしく喋っていたのですが、だいぶ短くわかりやすい言葉になっていったと思います。あまりに簡潔でもそこには意図があるので、乗艇から上がってから補足説明はするようにしています。短くなりすぎて分からなくてもいけないので、キーワードのコールと、簡潔ながらも分かりやすい説明とのバランスをとるのが今の課題ですね。


RK:今シーズンの目標を聞かせてください。
SH:国際大会に、世界選手権とワールドカップにエイトで出ることです。
RK:おお、出ましたね、ムーヴメント!もちろんCOXとしてですね。これは個人の実力だけの話ではありませんが。
SH:だって、今年出ないともういいかげん間に合わないじゃないですか。
RK:確かに。というか、もう2018年になりますからね。
SH:負けてもいいから、出ることが第一歩です。未だエイトでオリンピックの枠を獲得できるレベルではないですが、僕はとにかく出て、コテンパンにやられて生のスピードを体感したいです。そこから成長したい。パワーがない選手は、自分にパワーがないことを置いといて、テクニックでカバーしようとします。しかし、パワーがないことは事実なんだから、その弱点や課題と向き合わざるを得ません。下手なんだけどパワーがあるクルーに思い切り負ける経験をすれば、いやでもパワーが必要だと思い知らされるはずです。
RK:そのパワーの無さと、日本ボートは向き合わなければこの先ずっと克服できず今のままだと。技術は勝ってるとかは、確かに負け惜しみですからね。あとは、そういうゴリゴリのパワークルーに一緒に乗るとか、一緒にトレーニングするとか、そういう世界基準が自分たちの基準と同化するような、真似をするような、そういう試みも不可欠ですね。
SH:逆もしかりです。力任せに漕ぐ選手が、分かりやすくするために例えばオープン選手が、テクニックで上回る軽量級の選手に負ければ、漕ぎをもっと洗練させようとするはずです。
東京五輪ムーヴメントに関するブログ過去記事
「東京オリンピック!」 2013年9月
「東京オリンピック!2」 2013年9月
「JAPANエイト、バルセロナの挑戦」 2013年9月
タカチ電機工業 配電盤・筐体 タカチ 防水・防塵アルミケース(ノーマルタイプ) 〔品番:AWN16-9-28NBB〕[2039955]「法人・事業所限定,直送元」【代引き不可】 2016年9月





RK:では、ボート以外のことも聞きましょう。オフの過ごし方は?
SH:日曜がオフなんですが、日曜でも個人練習に付き合ってと言われればコースに出ることもあります。基本的には、部屋を掃除してアイロンをかけ、靴を磨いていたりします。
RK:社会人の休日を過ごしていますね(笑)。
SH:ただ、1日家にいるのは耐えられないので、少しは外出します。外で美味しいもの食べに行ったり、誰かと会ったり、ブックカフェでひたすら本を読んでいたり、ウィンドウショッピングをしたりしていますね。


RK:仕事で力を入れていることや、最近の関心事をお聞きします。
SH:そうですね、自分のせいでボート部の評価が下がるのは嫌なので、仕事は頑張っています。関心事は、最近ボディビルが面白いかなと。自分がやるわけではないですし、関心があるといっても特別オタクなわけでもないですが。あれって言い方は悪いですが頭がよくないとできないですよね。トレーニングや食事の高度な知識が必要です。食事のプロセスもたいへん細かく管理、計画し実行しています。目標と現状のギャップを埋めるために、現実を見つめ仮説と検証を繰り返すことができなければならないのかなと思います。あとはそうですね、健康には人より気を使っていると思います。
RK:減量など体重の管理が必要ですもんね。ちなみに減量が必要なCOXのために、日本一COXの食事の例を。
SH:朝は水か白湯(さゆ)で始まります。朝食はナッツとアボカドと納豆を食べて、ミックスジュース(バナナ、卵、牛乳、ヨーグルト)も飲みます。それから、ショートニングやマーガリンが入っていないフランスパンなどです。
RK:ナッツは脂肪のかたまりでは?(笑)
SH:身体に必要な良質な脂肪も含まれますし、脂肪の代謝を助ける効果があると聞いています。あとは、甘いものやスナック菓子は基本的に食べません。外出のときやイベント事、頂き物の場合などは別ですが、自分でお菓子を買って食べることはしないルールです。
RK:すみません、今日は一緒においしいデザート食べましょう(笑)。
SH:ありがとうございます(笑)。





RK:社会人でもボートを続けようと思った理由を聞かせてください。
SH:(○TTチームから)声をかけてもらったから、というのが一番の理由です。社会人チームでは、ずっと長く1人のCOXが在籍することが多く、COXの採用ってもしかしたら10年に1度とか、それくらいじゃないですか。自分はチャンスだと思いました。大学が教育科学科だったので、教職になる選択肢もありましたが、そのときしたいことがボートしかなかったので、社会人で続けられるのなら、続けようと決めました。


RK:社会人ボート選手とはどうあるべきと考えていますか?
SH:競技のピラミッドで頂点であるべき存在だと考えています。実力がまずないといけない。社会人選手の実力がないと、日本のボートが廃れると思います。学生が勝っているようでは、社会人で続ける理由がないですからね。それから、ボート選手として、人として、お手本でなければいけない。これはたとえ負けていてもです。結果というのは相手のいることなのでコントロールできませんが、成果は自分の努力次第です。そこの部分で常に若い人のお手本となり、トップにいなければならないのです。
今僕は○TTというチームにいます。僕らの可能性が高くなることが、日本のボートの可能性が高くなることとイコールだとしたら、それはすごく楽しいことだと思っています。そのために、自分たちがリーダーであり続けなければいけません。



RK:日々のモチベーションになることは何でしょうか?
SH:ふねに乗るのが単純に楽しいです。ふねが走ってると楽しい。
RK:これはボート選手として一番の原動力ですかね!ちなみに、艇というよりふねという言葉が多いですね。
SH:はい。それから、目標に対する挑戦の日々。挑戦そのものが楽しいです。
RK:アスリートですね。
SH:もちろん、楽しいことばかりではないですけど。あと、練習が終わった後にメンバーと一緒にご飯に行くのが楽しい!これも日々のモチベーションになります。若手メンバーはけっこう外で食べてますね。


RK:今のボート界への要望はありますか?
SH:コックスとしては、エイトで世界に挑戦する場がほしいです。本当に。
RK:やはり今日の一番の趣旨はそこですね。というか、最初にS々野さんと私を結びつけたのも、そこでした。
SH:日本が100年以上取り組んできたスイープのクルーボートの方が可能性があるのではないでしょうか。もっと本気に、ひとつになれ、日本ボート!!!
RK:心の叫びが聞こえますが、やはり多くのボートマンが思っていることだと思います。特にCOXは、チームリーダーの決断で常にその活躍の機会を奪われてしまいがちな存在です。これって、私も現役選手時代からずっと味わってきました。仕方のないチーム事情もありますが、代表はそもそも夢を与えるのが役割ではないかと。競技の舞台で活躍してこそ選手。その選手たちの生殺与奪を握っているのが、指導者であり監督や強化部長や会長など人事権のある役割の人です。可能性を閉じ込めるのが彼らのはたらきではなく、広げるのが彼らの仕事です。強化責任者に能力がなかったり、それ以前に弱気や保身を考えていたら選手たちの可能性を閉じ込め奪うだけです。チャレンジの最たる旗手や象徴が、代表チームでなくてはならない。
SH:僕は、代表チームに魅力が増すことがまず必要だと思います。それは世界に挑戦することも含まれているでしょう。代表が強くなる、その代表をめざす、魅力あふれる代表チームになる。そして若い世代が将来は自分もカッコいい代表になりたい、と好循環が生まれます。


RK:自分がボート界に貢献できることは何だと思いますか?
SH:今のチームでは、地域貢献活動の一環として、ボート教室を開催しています。他県の高校中学の生徒たちに、ボートを教える活動ですね。埼玉、富山、青森に行きまして、今度は長野に行きます。
RK:それは素晴らしい活動ですね!
SH:自分はこういうチームにいながらも決してエリートではありません。だからこそ、僕みたいにセンスがない人が頑張っているという姿を見て、何かを与えられているのではないかと思っています。
RK:しかし、そんなS々野選手の内面を知る人は少なく、強いチームの日本一COX、外見の勝っている華やかな部分ばかり人は見るでしょう。こんなことを考えている等身大の人間として見てもらえたら、また違って見えるはずですね。ところで、センスがないと自己評価している人はセンス(感性)があると思います。





RK:ではずばり、あなたにとってボートとは?
SH:自分をみつめて、自分を成長させてくれるものです。


RK:長時間ありがとうございました。最後に、チームの皆や応援してくれる人へ一言メッセージをお願いします!
SH:可能性を信じ、広げ、一緒に世界へ挑戦しましょう!!日本は世界をめざせると思っているので。


SH:今回はインタビューという形でしたが、人と話すときのほうが、自分で何を考えているか発見できるし、アイデアが出てくる気がします。比較により課題も鮮明になります。これを読んでくださっている読者のみなさん、私でよければぜひ、お話しましょう!
RK:本当に今日はありがとうございました!
SH:こちらこそ、ありがとうございました!

忙しい中、快くインタビューに応じてくださったS々野選手と






いかがだったでしょうか、超ロングインタビュー。この場には、途中からもう一人ゲストが入ってきて真剣に日本一COXの話に耳を傾けていた場面もありました。
少しネガティブに見せつつも、内面はものすごく負けず嫌いで誰よりも自分の可能性に自信を持ち、こんなに溶岩のようにグツグツと煮え滾る熱い選手はいないという炎のCOX、S々野選手。まあ、あのCOX動画を見ればそれは感じ取れますよね。私はクールなCOXより、熱いCOXが、熱いリーダーが好きだ!

以前のコーチインタビューでも感じたことですが、ボートを通じてその人独自の考え方や行動がよく表れてくるものだと思いますし、また逆にボートというスポーツの独自性がその人の考え方や行動を形成していくところがあるという再確認をした気がします。まさにボートは個人を形作り、また人と人をつなげる触媒のようなものだと感じます。
ボートを通じ、その人の人間性が浮き彫りになってくる。インタビューは面白いなと改めて感じたRKでした。

COXは、その気になればいつまでも現役が続けられる特異なポジション。カナダには、還暦間近まで代表COXをやっていた女子COXもいます!(2017世界選手権は出てなかったですね)
まだまだ、S々野選手はこれからの選手だと僭越ながら思います。今後どんなクルーを組んで、どんなボートマンと化学反応を起こして、どれだけ爆発的に成長するか分からない。世界へ挑戦することとは、そういったビッグバンのような成長の爆発を生み出す環境へ飛び込むチャレンジだと思っています。COXもれっきとしたアスリートです。いかにボート意識を飛躍させ、クルーの艇速になっていくか。このアスリートたるCOXが、ボート選手として世界で活躍する日を。
多くのCOXたちの見つめる中、東京に挑戦するCOXを一人でも多く見たいのです。


先日は○TT東日本のS々野選手が主役のドキュメンタリー番組、「スポーツXヒューマン」が放映されましたね。
皆さんご覧になったでしょうか?


S々野さんの大学時代のひとつ後輩のS田さんがディレクターとして密着されていたのもあって、完全にいつもお会いするそのままのS々野さんが映し出されていましたね。全く飾ることのない素が出ていたと思います。
それにしても、本当に激アツCOXです。こんな熱血漢は漕手を含めてもなかなかいないでしょうね、ほとんどは内に秘めるタイプだから。でも、COXは発信して、表現してナンボです。おもに身体能力と身体表現ばかりと思われがちな漕手メインのボート競技、精神能力と精神表現、これがいかに大切か。精神や意識が日々身体を鍛えコントロールする主体であり第一です。身体の司令塔は精神です。漕手は心技体の心、精神が最も重要です。それこそが、クルーの精神に働きかける、COXの存在というこのポジションの価値を飛躍的に高める所以となるのです。艇の上では自分たちの気持ちを乗せてくれて冷静で当たりの柔らかい上手なCOXを求めるのか、ひたすら熱くクルーをリードし奮い立たせつつも全て計算の内という熱血COXを求めるのか、永遠のテーマだと思います。協調と和を重んじ、しかし熱いエネルギーでぶつかって新たなエネルギーを起こさせる、柔と剛はどちらも必要でしょう。


今回の番組を観た全国の老若男女のボートマン諸氏におかれてはさまざまな感想を持ったことと思いますが、まさに会社や組織でのプロジェクトチームでの人事みたいだな、と会社組織を思い浮かべた人も多いのでは。選考に落ちた次の日に別のチームでベストを求められこの悔しさをこのチームで晴らしていくぞ的なくだりなどは。そして選考に落ちるというのも、皆必ず経験していることと思いますので、多くの共感が寄せられたことでしょう。COX選考なんて、漕手選考以上に答えはないですよ。どちらか1人だけ選ばなければならないからやるのです。落ちていいCOXも漕手もいません。だから全員勝利をめざすのです。
こんな日本一の輝かしいトップチームでも、限りなく人間臭い、ヒューマンドラマの泥臭い毎日なんだと。親近感や共感や、さまざまだったのではないでしょうか。ボートを知っている人でも、初心者には圧倒されるトップレベルの世界かもしれませんが、ある程度長年経験している私のような者でもたいへん面白く観させてもらいました。


最初、私は個人的に、泣いているS々野さんとウェイトしているS々野さんしか入ってこない感じもありました(笑)。映像的にも印象としても、かなり強いインパクト。たぶんディレクターもわざと多くして意図的だと思います。S田Dも一緒に泣いていましたし、私も泣きそうになりました。男泣き、羨ましいです!喜怒哀楽を包み隠さず堂々とあらわに出せるのは、それが絵になりむしろ羨ましくてしかたがないのは、スポーツをしている者の特権です。負けて泣く選手は必ず強くなります。私の経験則です。
これ以上書きすぎるとネタバレもいいところですので、まだ観ていない方はぜひ再放送をご覧ください。(ここまで詳しく書いておきながら!)
そして、COXだけに焦点を当てたボート番組はなかなかありませんので、そういう意味でもNHKのS田ディレクターにも感謝いたします。S々野選手と正舵手の座を争うT野選手も素晴らしいCOXだと思います。○TTが2人目のCOXを採ったのは英断と思いますし、これからも○TTのササタツとして2大COX体制を継続し、比類ない最強COX王国を築いてください!(2人の王国。もちろん3人、4人、10人いてもOKです!)
エイトが強いチーム、エイトが強い国は、COXが強いのです。


■番組名
NHK『スポーツ×ヒューマン』

https://www.nhk.jp/p/ts/KQ8893GKX6/

■チャンネルと放送日時
<BS1>
・12/3(金) 23:00 〜 23:45(再放送)

<地上波NHK総合1>
・12/7(火) 2:34 〜 3:18(再放送)
  ※12/6(月)の深夜

※番組後の、5分間のボート競技の知識の小番組も面白かったです。ボート知ってる人は思わずニヤリとする内容でした。M大エイト(T野選手)対T北大エイト(S々野選手)でしたね。しかし、再放送では放映しないかもです・・・。
→追記:話によると、このボート競技紹介の小コーナーは、数年前に作られたものだったようです。○TTのお二人の対決を意図した内容ではないとのことです。









さて、今日はここからが本題です。

今回も応援記事となります。
バラしてしまいますが、実はS々野選手にブログでも拡散を依頼された同じ日に、別の人から別件でブログ拡散を依頼されたのです。奇遇ですが、その選手とは、T田中央総合病院RCの主将、K又S一選手です。
T田中のK又選手、今年の全日本ではM4-で出漕し、予選、準決と苦しみながらも決勝に駒を進めると今年最高のパフォーマンスでトップを快走しますが何と出身校の後輩となるR大に後半逆転される展開で準優勝となりました。これも話せば長くなるので話しませんが、今シーズン苦しんだ中で持っている力はしっかりと発揮し、全日本M4-2位、M2X3位ということで素晴らしい結果を残しました。



T田中央総合病院RC、通称「T田中(Toda Chuu)」は、2002年創部。W大出身のK倉選手がチーム初の全日本優勝をW1Xで2007年、2008年と連覇で果たし、男子も2010年全日本選手権でM4-初優勝を遂げると、2014年からの8年間では4年間で全日本優勝、優勝していない年も準優勝を必ず果たしており、現在では○TT、MY生命に次ぐ戸田の強豪社会人チームに位置づけられていると言ってもいい、誰もが認めるトップチームだと思います。
エイト優勝をしていないと社会人トップチームと認められないかというとそんなことはなく、例えばかつてTレ滋賀は1967年から1973年まで全日本M4+7連覇と、M4+で無敵を誇り、その連覇のさなかに1972年全日本M8+初優勝を果たしました。Tレ滋賀が全日本M8+で強すぎるので大学が勝てなくなり、1974年に全日本とインカレを分けて第1回インカレがスタートしたと言われています。
○TTも全日本優勝はM4+が初、MY生命男子も全日本優勝はM2Xが初。その後選手を増やしてトップレベルの大卒選手を入れるようになって全日本M8+優勝に至ったのです。現在の押しも押されぬトップチームはみな小艇の優勝からはじまった。10年後、T田中が全日本M8+連覇するチームになっている可能性は大いにあります。
(T田中チームは、2006年全日本でM8+初出漕を果たしておりそのときは6位。創設メンバーのN村さん、I科歯科大OBのN川R医師をはじめ、現監督T立さんらを主力にしたエイトでした。2007年もM8+出漕し1.5秒差で最終日を逃していて、それ以来全日本M8+挑戦は途絶えています)


しかし、2014~2018年までの5年間で4回の全日本優勝をして、2019~2021年は3年間連続で準優勝と、ここ一番で優勝に届かない年が続きました。(M4X、M4-、M4-)
あと一歩での2位が続き、できる限り優勝の可能性を高めたい。そんな声が高まったのでしょう。
今回K又選手からの話では、
「あと1秒、2秒速くなるために、新艇を購入したいんです。現在、コロナ禍の影響をまともに受けたチームの母体、T田中央総合病院の属するT田中央医科グループ(TMGグループ)は経営が苦しくなっている現状で、チームは支援を受けられない状況に置かれています。そこでうちのチームではクラウドファンディングを募って250万円の艇購入資金に近づけるチャレンジを開始することになりました。ぜひRowingの志でも拡散していただけるようお願いします!」
との話でした。

私は正直なところ、この連絡がきたとき、
「拡散希望ということでブログを使うのはいいのだけど、特定のチームに肩入れすることになるなあ。まして、ボート界全体のためにという理由でなく、T田中のためだけの資金集めの宣伝になるのか」
と最初は思いました。

しかしよく考えてみたら、それは浅い考えと気づきました。社会人選手とはいえ、まず何よりも自分自身がトップレベルとなりボート選手として最も大きな大会で勝ちたい、自分のチームを勝たせたい、応援してくれている人のために優勝という形で応えたい。その純粋で強い気持ちをもって選手を続けているわけです。あらゆる努力によって、勝利を追求し、そのトップレベルを追求する高い意識こそがボート界のピラミッドの頂点たる社会人トップ選手、代表選手がそこにいる証になります。社会人選手こそ応援が必要だ。社会人選手こそ、誰よりも強い気持ち、純粋にボートを続けている存在そのものではないか。




私は大学ボート選手を応援したい気持ちでこのブログを続けていることは読んでくださる皆さんもご存じかと思います。社会人ボート選手は大学生にとってライバルであり越えるべき壁です。
と同時に、実は社会人選手、社会人チームが強くないと、大学ボート選手が社会人でもボートを続けてもっと強くなりたい、もっと広い世界、深い世界を見てみたいという動機や欲求も薄れてしまうことになります。大学を出てからもボートを続けたいという存在は、ボート界が育ててきた宝なのですから。
今では、ボート競技の発展のためには、高校、大学、そして社会人でもボートを続ける選手の増加が絶対に必要なのです。社会人チームには、自分のチームの栄光を考えるだけでなく、ボート界全体を考えて行動する義務もあります。そう考えると、高校、大学の前途ある若いボート選手のためにも、社会人チームは日本で最も強く、人としても魅力ある成熟したアスリートであってもらわなくてはなりません。憧れの存在、憧れのチームでなくてはいけません。社会人チームはもっとボート界に対しても一般に対してもファンを大きく増やす使命があります。


だからこそ、勝利にひたすらこだわり、艇も最新で高性能の道具や環境も整え、多くの大卒新人(時には高卒新人)を受け入れる大きなチームになってもらいたい。その高性能のボート競技ハードを使いこなし世界に通用する艇速を表現するボート競技ソフトを兼ね備えた、知勇兼備の組織であらねばならない。私の求める社会人チーム像は理想が高いので、とにかく社会人トップチームの皆さんは世界的なクラブをめざしてボート意識を世界一に高めてくださいね!
社会人チームやクラブにはエンジョイ層もできるだけ多く存在してほしいのですが、同時に、競技エリート層での社会人トップチームは全日本タイトルを常に総なめするくらいでいてほしいですね。そして、もう少しチーム数が増えるといいと思っています。



だからこそ、私は社会人チームも応援します。
今回はT田中チームの艇購入資金バックアップのためのクラウドファンディングとなります。

来年は新加入選手もいるそうです。そして、現在、T田中チームは男子はM4-かM4+の全日本優勝をめざしているらしいので、「4人乗りはT田中」と呼ばれる頃に、全日本エイト制覇へ向けて動き出す投資にもなるのではないかと思います。もちろん、私はブログで再三言うように、フォア種目も大好きなので、M4-もしくはM4+のスペシャリストになるのはとてもかっこいいチームのあり方です。オーストラリア、イギリス、デンマークのように。(たぶん、T田中のめざすイメージはデンマークLM4-です)
そして女子も強化中であり、近いうちにこちらも戸田で4人乗りなどで覇を競うようになるのではないかと。




あれですよ、○TT、MY生命に並んでT田中が三つ巴になれば、戸田社会人チーム三国志となって、毎年優勝を争う感じになり、社会人チーム競争も盛り上がり、切磋琢磨によって○TTの一人勝ちも抑えられます。○TTも望むところでしょう。
また、個人的には、K視庁が元々東京三国志に加わるはずだったので、このチームの潜在能力にも期待したいです。さらにはS玉県警もしっかり強化すれば他を圧倒するポテンシャル十分です。強い指導者が加わればいずれもブレイク間違いないです。





というわけで、社会人チーム全体の未来のためにT田中へ投資する、という気持ちでクラウドファンディングしていただければ素晴らしいのではないかなと思います。もちろん、T田中ファンの方はチームへの愛情として寄付していただき、愛し愛されてほしいと思っています。
そしてこれは、ボート競技全体の未来への投資なのです。トップもボトムもまだまだこれからのボート競技だからこそです。お金、物、人、情報の資源がボート競技にはまだまだたくさん必要だからです。


T田中央総合病院RCのHP
https://www.chuobyoin.or.jp/rowing/


12/1よりクラウドファンディング開始、拡大画像
https://www.chuobyoin.or.jp/rowing/wp-content/uploads/crowdfunding_2.pdf










こちらも必見!
T田中チームの優勝への熱い思い、T田中チームをより詳しく知るための多くが語られています。

↓↓↓


T田中央総合病院、クラウドファンディングのプロジェクト
公開サイト(12/1 8:00~公開、12/24 23:00まで)

https://readyfor.jp/projects/Redangels






あとは、社会人ボート選手は、もちろんですが大学ボート選手よりも色んなことを考え、さまざまなことを実践し、ボート意識は言うまでもなくトップレベルです。願わくば、そうした見識や経験を、より多くの人に発信して、養ってきた知見を全体へと還元してもらいたいところがあります。
まあ、仕事と競技の両立で忙しく時間がとれないのが本音だとは思いますが、是非そうした発信や広報も、ファン拡大と開拓、ボート界への貢献と思って積極的にしてくださる人がもっと増えればいいと思います!
そして、このブログではボートに対して本気のチームをこれからも応援していきたいと思っています!




社会人チームやRowingクラブには、まだまだ可能性を発揮しきれずにいるチーム、これから大きく羽ばたこうとしているチーム、エンジョイ層と競技者層と双方が同居するチーム、誰でもボートが楽しめて多くの出会いと学びがあるエンジョイ層メインのチーム、実にさまざまです。

めざすところはボート競技の発展、そしてそこに関わることでのRowingの喜びや感動、社会との関わりや貢献とスポーツの喜びを共有すること。多くの理念をもって、ボート競技が社会で貢献し、人材を育て、参考になる組織モデルのあり方を提供し、最高峰の人間性涵養と学びをもたらす出会いと交流の場であるように。
チームの発展と、クルーの速さを追求しつつも、ボート競技の素晴らしさを伝える旅はこれからもずっと続いていきます。これから多くの困難や試練によって、多くの感情と感動によって、大きく大きく成長していきながら。






今回は応援記事となります。

このタイミング、このタイトル、知っている人はもう分かりますね?
○TT東日本のCOX、S々野H輝選手です。このたびスポーツドキュメンタリー番組の主役としてスポットが当てられるとのことです。


■番組名
NHK『スポーツ×ヒューマン』

https://www.nhk.jp/p/ts/KQ8893GKX6/

■チャンネルと放送日時
<BS1>
・11/29(月) 21:00 〜 21:45(初回放送)

・12/3(金) 23:00 〜 23:45(再放送)


私もFacebookやTwitterを少々ですがチェックするので、この情報はキャッチしていました。
おお、S々野選手がTV番組の主役として出られるんだなと。めざせ100シェア、拡散希望とあり、ご本人自ら、SNSでの宣伝に積極的だなと思っておりました。

バラしてしまいますが、私のもとにも連絡が来たんですよ。

「このたび、ドキュメンタリー番組が放送されます。
Rowingの志で、ぜひ、アナウンスしていただけないでしょうか?」


なんと!これは積極的。私のブログでも宣伝してほしいとは、本当に色んな方面に番組を観てほしいと頼んで回っているんだなあと。このブログにどこまで宣伝効果があるかどうか分かりませんが、それは全然構いませんけどねー、と思ったあとの言葉が惹き付けられました。

「ハンカチ王子の次の回になるのですが、彼を超えることができれば、ボート界に新たな光をもたらせるのではないかと思い、取り組んでいます!ボート関係以外にもアクセスするべく、各種SNSで拡散作戦を展開中です。」

ハンカチ王子って日本国民のほとんどが知る斎藤佑樹選手ではないですか。
マー君との死闘で甲子園を沸かせた早実の高校時代、早稲田大に進学して六大学野球のアイドル、そして日ハムでの苦難と怪我と逆境の日々。心ないアンチファンが増えてしまった印象もあり今では悲劇の王子といった印象もありますが、その超有名な野球界のハンカチ王子を超えることを、ボート競技のS々野選手がめざしている!?
もちろん、テレビ視聴の数を増やしてハンカチ王子を超えられたら、という意味だと思いますが、私にはボートとS々野選手が野球とハンカチ王子に勝負を挑んだというように聞こえたのです。何という気概、強い思いでしょうか。
自分を観てほしいという意味ではなくて、ボートの認知度アップや競技をもっと多くの人に知ってほしい、どんな形でもどんな手段を使ってもボートの魅力、ボートに関わる人間の魅力を多くの人に知ってほしい。そんな思いと、そしてたとえ相手がメジャースポーツの野球だろうと、ボートという競技が超えてみせると。そのために番組のオンエアでの視聴者数や注目度を増やすため、自らが精力的にPR活動、番組宣伝を展開していたのです。

これは私も意気に感じました。喜んでこの番組を宣伝させていただきましょう!
今回がボート競技を世の中にアピールする絶好のチャンス!!そのチャンスを最大限に生かしたい、そうした思いをS々野選手から直接感じたわけです。

2019全日本選手権 ○TT東日本HPより掲載させていただきました


いまのボート界に、「野球を超えてみせる」とか、「とにかくボートを有名にしたい」とか、さらには「世界でエイトで勝ちたい」とか、そのような野心的な夢や目標を持ち、さらには実際に行動してきた選手、関係者が、どれくらいいるでしょうか?
聞けば、そうした常にビッグな野心にあふれてきたS々野選手に密着した番組を作りたいと言って今回制作したNHKのディレクターは、T北大出身S々野さんの1年後輩であるS田さんだというではないですか。S田さんは189cmという恵まれた体格で大学からボートを始めたものの、早期に腰の故障で残念ながら漕手を続けられなくなり、主務としてT北大を支えた経歴をお持ちです。その後NHKに入られて今回、S々野さんとボートで番組を作りたいという以前からの夢が叶ったということですが、この素材やテーマも、やはり野心的な、挑戦心あふれる内容だと思います。○TTとNHKという、かたや日本国民ほとんどすべてが利用する公共の通信インフラを運営する巨大企業、かたや日本国民ほとんどすべてが視聴する公共放送事業を運営する総務省の外郭団体という、日本を代表するような公的かつ安定した大組織において、常識を打ち破るべくこれだけ野心的な夢を実現しようとする人間がいるというのは、なかなか興味をそそられる事実でもあります。
#23 逆境に抗い続けて ボート競技・S々野H輝


そしてS々野さんとは、私も2020年東京五輪開催が決まった直後の2013年の頃からやりとりをし、東京五輪のM8+でCOXとして出場を果たしたいという大きな野心を叶えてほしい対象として応援してきた方でもありました。残念ながらM8+出漕はなりませんでしたが、あの東京五輪M8+出漕ムーブメントを巻き起こした元々の発端は、S々野さんのこの大きな目標に私もブログその他の働きかけで協力していきたいという7年前のやりとりが大きかったことは間違いないと思います。

野心、すなわち大志。
少年よ、大志を抱け。「Boys,be ambitious!」
まさにRowingの志であります。


ボートの魅力というかスポーツの魅力って、不可能を可能にすることや、夢を現実にすること、それを成し遂げようとする人間の魅力。そういうところではないでしょうか。スケールのでっかいことを夢見て本気で実現をめざしチャレンジする姿勢が素晴らしく魅力的なのです。夢を描いたら、行動する。今回の番組にも表れているのかもしれませんが、「野球を超えたい」「ボートを有名にしたい」といって、実際に行動する。夢の大きさも人がなかなか発想しないことですし、その行動力も真似できることではない。
そのようなスポーツ選手ならではの魅力を、私はS々野選手に感じるのです。

私が言うのは失礼かつおこがましいですが、S々野選手はボート選手としてはまだまだ発展途上で、もっともっと上手く、強くなる選手だと思います。大きく言えば、社会人選手、オリンピック出場したトップ選手だって、まだまだ可能性のかたまりで全然これからの選手ばかりだと思います。
S々野選手は、実力があるとかCOXとして技術が素晴らしいということ以上に、とにかくチームやクルーを強くするために色んなチャレンジをして、色んな材料を求めて試し、とにかくその精神性そのものが魅力的であり、貪欲さや勝利への熱い思いというか飢えみたいなハングリーさこそがボート選手としての最大の武器になっていると思います。いつも逆境から出発して逆転をする選手であり、それがあってこそ史上初の全日本M8+5連覇のCOXになれたのだと思います。○TTが強い選手ばかり集まっているチームだからという、決してそればかりではないのです。
コールについても、とにかく漕手を奮い立たせ感情に訴える、「理」より「情」のCOXですね。COXにはスタイルがさまざまで、「理」のタイプ、「技」のタイプもいます。もちろんS々野選手は計算や技術もお持ちですがそれ以上に情の厚い指揮官、というところが最大の特長なのだと感じています。

2020全日本選手権 ○TT東日本HPより掲載させていただきました




個人的にはこの番組、COXにスポットが当てられるということで、それ自体たいへん楽しみですが、ご本人やチーム関係者もどんな編集に仕上がっているかオンエアを観る前に知らされていないそうです。
S々野選手がメインキャストになるとのことですが、○TT東日本チームにもスポットが当てられている内容だそうですので、日本国内最強チームの色々な点が参考になること間違いなしです。

我々ボート関係としては、今シーズンの結果はすでに分かってしまっています。2021シーズン、S々野選手は現実には再び逆境、苦しいシーズンだったかもしれません。そんな表面的な結果からは見えない舞台裏や人間像の模様というのは、新たな発見の連続だと思います。そしてこうした逆境のシーズンが新たな成長の糧となったり、日本一のチームこそ日本一チーム内競争が激しく、その中で全員の心技体が鍛えられていることでしょう。個人的には、S々野選手とともに、もう一人のCOX、T野選手にも注目してみたいです。

是非とも、我々自身が一番のボートファンであるわけですが、他のメジャースポーツと同様、ボートにもこんなに素晴らしい人間ドラマがあり、日常と非日常の中での葛藤や戦い、人の心の動き、ボート競技独自の美しさや迫力や素晴らしさを、ボートを知らない人たちにもおすすめしてみてください。
私たちの愛するRowingはこんなに魅力的なんだと。COXも、漕手も、ボートに関わるあらゆる役割の人すべてが魅力的なんだと。多くの人に知ってもらい、Rowingのファンと人のつながりを増やすチャンスを生かしていきましょう!





2022年シーズン、新勧で大逆転をはかるために。
今回は、2021年オンライン新勧での成功例を考察し、2022年はオンライン新勧で有望新人に対して先手必勝をとりながら、対面新勧ができるようになっていれば対面でも勝利する、オンラインとオフラインのダブルでの新勧で圧勝していく戦略を考えていきましょう。
二刀流新勧です。

オンラインだろうとオフラインだろうと、決め手になるのは人間関係作りに尽きます。
最初のキャッチは、受験情報、学校情報、景品、新しい環境での友達作り、青春への憧れ、スポーツで結果を出してみたい、対面での短時間トーク、大学全体での新歓ムード、新しいことを始めよう的な多くのイメージ、さまざまなアピールなどなど色々あります。そのきっかけは人それぞれ、ボートに関心が出てくるポイントも人それぞれですが、その中で基本は人間関係です。
こういう人たちがボートという競技をやっているのならば自分もやってみようかな、そのファミリー感や親しみがボート新勧の最大の強みだと考えます。
考えてみれば、サークルや色んな団体も、自分を受け入れてくれる環境だというアピールポイントは共通するものがあります。ボートでは、その点が大学は遊びまくるぞという人よりは真剣に何かに打ち込みたいという真摯さを持つ人に合った環境だということですね。

是非、そういった新入生とできるだけ接触しキャッチできる、そうした機会を色んな手段で作るための工夫をしていただき、最初の入り口を大きく、広くするためのさまざまな方法を準備していってください。







2021年4月29日記事

「シンカするシンカン―コロナ禍の中で―」



今回は新勧についての記事です。
続々、各大学では新入部員数が増えているようです!
しかしいっぽうで、苦戦している大学も少なくないと思います。


大会もたくさん予定され希望とボートの楽しさに満ちた季節であるはずのそんな現在、コロナウイルスの感染拡大がまた進んでいます。3回目の緊急事態宣言は東京、大阪、京都、兵庫に。4月25日~5月11日まで、GW期間を含むレジャー時期にあたる約2週間での感染拡大を食い止めようという短期の封じ込め策です。本日、朝日レガッタ中止の報が・・・。たいへん残念です。
先日、記事でもふれましたようにこの期間はたくさんのボートの大会が開催されます。朝日レガッタに続いて他の大会も中止とならないように願うとともに、とにかく個人レベルでは感染防止を徹底するのみです。また、自分が徹底しても周りが徹底しなければいけないというところで、少なくともボートチーム全体では組織的に対策を徹底していきましょう。



今回の記事では、このようなコロナの中でも新勧で大きな実績を挙げているチームに注目してみたいと思います。
ビッグクラブ復活!そのようにして昨年の部員減少をなんとか挽回していきたいですね。
そして新入部員が入部者数としてだいたい確定するのは、例年だとGW明けあたりというところですね。国立大だと新歓期間が私大より長く4月いっぱいくらいまで継続するチームが多いです。しかし今回、GW前で新勧の入部者速報をお届けするのは、まだまだあきらめず多くのチームに新勧を続けてもらい入部者を少しでも多く増やしてほしいからです。
今年はとにかく勝負!まだまだ入部確定が少なめなチームも、10人、20人としっかり入部させていきましょう!!どのチームも、20人入ればしっかり確保できたという部員数ではないかと思います。大きいところは30人を重要ラインにしているかもしれません。そしてビッグクラブは40人目標、という時代になっているかと思います。






1.各チームの新入部員数速報
さて、まずは私の中で元祖大所帯イメージのT北大ですが、2019年に新入部員50人を達成し、前年の40人と合わせて112人にまで達し、部員100人体制を築きました。しかしながら、2010年前半頃は決して多くはなく、むしろやや少なくなっていた時期が続いていました。しかし、2018、2019年に一気に飛躍したのです。40人、50人と2年間達成すると、これは多くのチームが参考にすべき成功例ではないか。私大のビッグクラブの先達、D大も2016~2019年には4年連続でほぼ40名をクリアして最大135名にまで達し、大学ボート部大所帯ブームを巻き起こしています。そのノウハウはK都大にも影響しK都大も大きくなっています。
このように、それまでどちらかといえば少人数、中堅だった規模がある年に新勧革命が起こることでビッグクラブへと飛躍する。そしてそれはほぼ例外なくインカレの戦績向上に直結しています。

そのT北大でも2020年は新入部員わずか4人と、全国のボート部と同じく大苦戦されました。
しかし今年、4月28日現在でなんと26人の入部が確定とのことで、100人体制に復活、鮮やかなV字回復を遂げようとしているそうです。私が新歓Twitterを参考に調べてみましたら男子17人、女子9人のようですね。なぜオンライン新勧中心でここまで入部者を増やせたのか?



それからT大は、4月26日現在で21人だそうです!T大も例年にもまして今年はたいへん新勧に力が入っています。新勧サイトの充実ももちろん、やはり新歓Twitter、連日新歓情報もりだくさんです。T大は今年特にOBOGの活躍、インタビューなどを特集して、ボート部の経験が社会に出て実際にこれだけ役に立っている、素晴らしいOBOGを輩出しています、ということをかなり全面に押し出している感じがあります。また、部員紹介も多く、T北大とともに部員やOBOGの情報を載せて、新勧でもボート競技アピールでも欠かせない「人の魅力」をしっかり伝えています。ボートの魅力の前に人の魅力に新入生も惹かれるのです。かっこいい人、魅力ある人がいるからボート部に惹かれるのです。



K都大も順調ですね、こちらは4月28日現在で1年生が18人、そして新2年生も入部しており2人ということで合計20人ですね。さすが2019年に大台の40人入部をクリアした一昨年の新勧ビッグ3です。



それから、常に度肝を抜く入部者数を誇るK戸大、こちらはなんと4月28日現在で44人入部!!
男子30人、女子14人だそうです。これはやばい。K戸大はいったいどんなマジックを使っているのか?なかなかその秘訣は調べにくいところがあるのですが、新歓Twitterは当然のように賑わっており、毎日新勧イベント情報と部員紹介がやはり多く、たいへん楽しそうな雰囲気がK戸大の魅力となっています。試乗会、各種ミニゲームなどイベントもりだくさん。

K戸大新歓Twitterより転載させていただきました。
この「ボート体験会」が試乗会ですね。試乗会ラッシュによって、多くの参加者数を確保しとても楽しい雰囲気や親しみやすさを武器に大量入部を実現しているようです。
オンラインでの履修登録会、K戸大の「Web新歓祭」という、K戸大の150もの団体による合同体育会・サークル説明会への参加などによってボート部イベントにつなげるという他の大学でも見られる手法かと思いますが、しかしすごい。K戸大の学内でボート部新歓は楽しい、すごいという評判や知名度も高いのでしょう。

これらの入部者速報はまだGW前なので、各大学とも5月半ばくらいまでにあと5~10人くらいは増やしたいところなのではないでしょうか。


以前は新入生に対面でやってあげていた履修登録の相談も今はオンライン。
K戸大Twitterより





めっちゃ楽しそう~な試乗会。
こんな楽しそうな雰囲気の新勧イベントを写真や動画で必ずおさめて、たくさんTwitterやインスタに流す。自分も参加してみたい!と思ってもらう。これが新勧戦略。
K戸大Twitterより









2.T北大のシンカン
こうした個々のチームに対する新勧研究は、ボート界全体の新勧力を上げるため、活性化のため、T北大、T大、K都大、K戸大はじめ多くのチームの関係者の方々にはご容赦とご理解お願いいたします。

さて、この中でT北大についておもに調べさせていただき、その秘訣を考察しました。本当は実際の話やねらいなども直接お聞きしたいのですが、それはまた機会があればというところで、とりあえずここではT北大のSNSやHP等から読み取れる新しい新勧の傾向を探ってみました。


まず新勧というのは流れがありますね。
①最初にできるだけ候補となる新入生をキャッチして分母を増やす
②新勧イベントへの参加を促し、ボートとボート部のアピールをしていく。
③これを繰り返し、相互理解を深めコミュニケーションと情報のやりとりをさらに増やして入部合意に漕ぎつける


これがいわゆる私の分析する①ファーストコンタクト、②セカンドコンタクト、③サードコンタクトの3段階であります。
の大々的な告知・周知の人数、のイベント参加人数とアピールの質、の人間関係を深めるアプローチ、この質と量によって入部者数が多いか少ないかが決まってきます。

T北大新歓Twitterを見させて頂きました。大学ボート部の中には、すでに3月上旬頃の合格発表から新勧をスタートさせるチームも国公立大中心にあります。これらは入学式前の新入生の囲い込み戦略であり、発想は企業のリクルーター制度による就活での優秀な学生の囲い込みなどと似たようなものです。他部や他サークルに有望新入生をとられる前にとってしまえという青田買いの戦略です。
T北大は早い時期からの新勧に積極的ではなかった印象がありましたが、数年前からかもしれませんが、今年の新勧スタートは早かった。2月下旬の大学入試前期試験から受験生に対し手厚い情報フォローなどをしています。いや、さらに1月から共通テストのカウントダウンをTwitter上で毎日アップして、受験生への励ましとボート部アピールも開始しているのです。ちなみに、約30年続いた大学センター試験は2020年で終了、2021年からより思考力や判断力が必要となる「大学共通テスト」という名前となって共通一次テストの名称と内容が変わっています。

そして、2月からは連日ボート部員の部員紹介や、ボートの基礎知識などをまじえ、受験生とそして入試に合格した新入生へ必要な大学情報を盛り込んでボート部の印象を与える情報戦略がはじまっていきます。
オンラインならではです。
これまで対面新勧では、4月の新歓活動が解禁される初日から体力勝負、人海戦術でひたすらビラ配りと声かけをやる戦術が必要不可欠でした。できるだけ多くの新入生とファーストコンタクトをとらねばならないからです。しかし飛沫が飛び交うといってもいい濃厚なこの対面接触では、マスク着用とソーシャルディスタンスを守るとはいえ、コロナが落ち着くまでは制限によって機会が限られてしまいます。
これからのコロナ禍でのオンライン新勧では、「受験生と4月からの新入生に必要な大学の情報をできるだけ伝えることで、ボート部の存在をアピールしていく」方法が、ファーストコンタクトを増やす戦術になっていくのではないかと。そして各種新勧イベントの工夫による、セカンドコンタクトの充実です。








3.オンラインの合同新勧イベント
T北大の新歓Twitterを見ると、3月あたりからは各種動画も用意し、簡単な競技イメージのPRを開始していきます。この時点で、新入生のアクセスはまだ増えていないことが予想されますが、早くも大学に入ったあとのことを考える動きの早い新入生はボート部HPや各種SNSにアクセスする人も出てくるでしょう。すでにHPでは新勧情報は充実させておきます。4月完成では遅いです。

ボート競技を印象づける動画やアピールに加え、4月が近づいてくると大学の各学部の情報や入学式、各種オリエンテーションなどの情報もリンクしたりしますが、対面新勧ができれば従来どおりの勧誘活動もしていきます。

しかし、T北大では今年、4月10日と11日に「オンライン・スプリング・フェスティバル」というイベントをボート部主催でおこなったそうです。これが新入生を集める大きな新勧イベントとなりました。大学と交渉し大学公認イベントのお墨付きを得た上で、体育会や文化部など大学公認団体による全43団体のオンライン合同新勧イベントを開催したのです。ボート部が主導して主催してしまったのがさすがですね。


オンライン合同新勧イベントのページ
https://peraichi.com/landing_pages/view/onlinespringfestival2021

各団体の先輩とオンラインで話し、質問をして何部の先輩かを当てる。当たったら豪華景品付きと言ったような特典付きであり、こうしたクイズやコミュニケーションを通じて最初のつながりを作る内容みたいですね。
景品や賞品は、お遊びの要素でしょうが、こうした特典は新勧のおもてなし、食事のおごりなど新勧戦術の王道ですね。

スカウトの前金とかと同じ?いやいやそんなことはない、賄賂ではなくあくまで抽選みたいなものでありこれらは全て新入生と話してボート部のアピールをしながらお互いコミュニケーションをとるための場を作るためのものです。新勧は新歓とも言いますね。新入生の入学を祝い、歓迎、歓待するためのもてなしです。新入生も大学生活を充実させるためにどこかの団体に所属したいのです。これがダメと言ったら、営業の接待とかのあからさまな歓待だけでなく、世の中のあらゆるイベントやおもてなしやサービスのすべてが批判されることになってしまいます。テレビもネットもCMも広告も飾りもお世辞も全部ダメという極論に行き着いてしまいますので、贈り物や特典はやはり大きなアピールや歓迎のひとつとなります。全ての商売、お金かけて消費者や取引先にまず投資して得してもらおうとしています。その上で利益を得たり世の役に立とうとします。イベントって、皆何かのメリットを求めて参加するものですからね。それが友達作りや人脈作りとなるのです。

このオンライン合同新勧イベントでは、以下のような新入生にとってのメリットを提供します。
①新入生の友達が作れる
②先輩と話せる
③色んな部が見れる

大学ではともに学びともに過ごすたくさんの友達がほしいですね。そして先輩と話して、学部学科の情報、テストや単位や授業やおいしい学食・お店など色んなお得情報、学生生活の情報、キャンパス情報がほしいですね。そして真に学生生活を謳歌し充実させるための課外活動、自分に合う部活サークルを見つけたいですね。

そしてまた、①を特化させるための前夜祭というのをT北大では用意しており、新勧イベントの前に新入生同士仲良くなるためのZoomミーティングも開催したそうで、これは同じ学部学科の友達を見つけるイベントとして、特に勧誘をしないイベントだったそうです。


この合同新勧イベント、しかしこれこそが参加者を個別にボート部新勧イベントにつなげていく重要なファーストコンタクトとなったことは言うまでもありません。この合同イベントで、色んな部活や団体を知ってもらうのも大切ですが、その中でやはりボート部を知ってもらいたい。

いうなれば、合同就職セミナー、合同就職説明会とまさに同じ、各企業の相談の市場です。就職をしたい学生が、どんな企業や業界・業種があるのか何も分からないところから少しずつ知って、情報を集めてどんな仕事がやりたいのか自己分析も始めていき、多くの企業の採用担当とのつながりを得ながら候補を絞り込んでいく。たくさん並んだ部活サークルの団体の相談イベントは、たくさんの企業が集まったイベントと同じく集客力があります。この合同新勧イベントによって、疑似企業ブースならぬ、疑似新勧ブースが作られているのです。かつての対面新勧では新勧ブースがずらっと並ぶはずですよね。それをめぐって、勧誘の波をくぐって、新入生は自分に合う団体や人とめぐりあう。

ボート部単体だとオンラインにおいてなかなか集客力を作れないが、多くの団体、できればT北大やK戸大のように全公認団体を集めるやり方でたくさんの新入生を集めます。その中でボート部の卓越した新勧力が生きてきて、他の団体よりもアピールができれば、大学で何か新しいことをしたいという意欲ある有望な新入生をボート部イベントに参加してもらうことができると思います。どの部活やサークルも新入生集めに苦労しているのだから、皆参加して、新勧力に磨きがかかっていきますね。新入生はコロナ禍が続けば、自然とこの団体の市場、団体の百貨店、合同新勧イベントに参加が年々増えていくことと思います。

また、新入生にとっては、まず新入生同士の友人ができること。これが大きい。そして、感染の心配なしに色んな部やサークルを見て回れるので、色んな団体を知ることができこれも大きなメリットです。
新入生が友人をたくさん作ることは、ボート部にとっても大きなメリットともなります。この新入生がボート部イベントに来てくれれば、つながった他の新入生も一緒に参加してくれるのです。また、「ボート部新勧イベント楽しかった!」とSNSで言ってくれれば大きな宣伝となりますし、入部した新入生は迷っている友人の背中を押してくれたり、イベント一回参加してみなよと新たな新入生を連れて来てくれます。大量入部のパターンでは絶対に必要な、友達を連れてくる、横のつながりで続々入部者が続いていく連鎖式に増加する入部パターンです。
大学の新勧イベントで知り合い仲良くなった友達。就活ではさしずめ就活情報を共有し励まし合う就活仲間といったところですが、就活で知り合った人が同じ企業にみんなで一緒に入ろうというのはなかなか難しいしある意味ライバルにもなるかもしれませんが、新勧においては友達全員、同じボート部に一緒に入ってもらいたいところですね。








4.オンライン新勧の工夫
このようにして、合同新勧イベントでファーストコンタクトをとるわけですが、T北大の新歓Twitterによると160人定員のところ、200人の予約があったということでかなり盛況だったようです。
この200人というのは、全員がボート部の入部者候補にはまだなりませんが、ビラ配りで確保した対面での200人よりもずっと、大学で何かをしたい、充実できる団体に所属したい候補ということで有力候補になりえる、入部の確率が高い存在とも言えます。この200人が文化系込みではなくスポーツをやりたい母集団ならなおさらボート部に合っていますが、文化系の人材も私ならもちろん最初に選手をすすめますが、ボート部ならマネージャー候補ともなっていきます。どんな文化系人間も、ボート部では活躍の場がありますからね。

そしてその後はT北大では毎日のようにボート部の新勧イベントを用意しており、まず新勧合同イベントで登録してもらったアドレスが名簿代わりとなるので参加者全員にイベントやアプローチを当然かけていくことと思います。
TwitterやインスタなどSNSでは新勧情報、ボート部情報をたくさん発信し続けます。このあたりがT北大のすごいところなので、ぜひ見習いたいですよね。何といっても、2年間で100人体制のビッグクラブに持っていったチームですよ!

T北大Twitterより
埋め尽くされた4月の新勧スケジュール。合同イベントの合間にもボート部イベントがあり、多くのポジションごとに同時進行しながら複数イベントの準備と実行をしているのがわかります。

イベント参加を重ねると、スタンプラリーが増えてブラックサンダーがSWITCHに!?わらしべ長者もびっくりの出世魚ですね!しかしこうした景品はあくまで話題性を添えるだけのイベント要素。従来の食事会、一発芸などもそうですが、新勧イベントを楽しんでもらうためのゲームというかエンターテインメントの一つだと思います。本当の魅力はボートと、ボート部と、部員にこそあるのです!

そして、この中でボート部説明会が、従来の食事会や試乗会などに当たる重要イベントか。
T北大は実は4月はコロナの影響で活動禁止、合宿解散が続いていると聞いています。乗艇練習や艇庫での練習ができていないのです。ですので、今年は試乗会ができないというボート部新勧で手足をもがれたような状況で26人すでに入部させているのです。自宅で自主トレをしながらも、エルゴを持ち帰ったりZoomサーキットなどをやったりしてモチベーションに苦労しつつ、これだけの新勧実績を挙げているのです。
そういうわけで、試乗会ができない中、ボート部説明会ではさまざまなゲームやクイズ、イベント的要素を入れたようで、新入生を楽しませるいっぽうで、ボートの魅力、動画やオンラインでの熱いトークも新入生に話したりしながらボート部と部員の魅力が存分に伝わる熱いオンラインZoom対談がおこなわれたことは容易に想像できます。

T北大Twitterより
ボート部説明会が、新入生とオンラインで話せることで入部にグッと引き寄せる、対面イベントに匹敵する重要なイベントとなった!この凝ったデザインも、さながら電子ポスターとして威力のある広告になったでしょう。


この4月17日からのボート部説明会で、一気に入部者が増えていったようです。
入部者が増えるタイミングはある程度、法則やパターンがあります。熱い先輩のボートへの思いが伝わり、楽しくもボートの魅力とボート部のたくさんの先輩の魅力が伝わったとき。新入生の自己紹介や話をしてもらう番になり、「今日は本当に楽しかったです。ボート部の入部を考えているんですけど~・・・」「ですけど、・・・??」「・・・入ります!」「おおーっ!やったー!ありがとう!!!」といった背中を押された場面ですね。そしてその熱がほかの新入生にも伝わり、続々と迷っていた新入生も入部に傾いていくという流れですよね。
4月17日に第1号の女子入部者が出て、そこからわずか10日で25名にまで入部者が続いたそうで、このイベントスケジュール表を見させてもらうと、入部者決定の推移が参考になりますよね。やはり説明会という重要イベントを中心に入部者が増えているようです。








5.新勧は人間関係づくりとコミュニケーション
入部というのは、人間関係から決まっていくのだと思います。
その意味では、方法が生身の接触による対面ではないオンラインによるものだろうと、Zoomの動画映像での会話や、オンラインでのたくさんのボート部の先輩が熱く語る姿を見て、だんだんボート部のことを知ってきて、先輩と直接LINEやビデオ通話テレビ通話などもやっていることでしょう、人間関係ができてきて、温かいLINEメッセージや自分に向き合ってくれるスマホやPC越しの表情を見たりして、心動かされていくのだと。

また、友達がボート部の入部を決める、これも大きな要因となります。
皆さんも振り返ってみてそんな経験あるのではないでしょうか。
私自身のことを申し上げますと、中学の時は卓球部に入ったのですが、仲の良い友達が入ったので深く考えずに同じ部活に入部することにしました。友達が別の部に入ったらそちらに入っていたと思います。彼は最初テニス部に入ると言っていて、私もテニスにしようかと思っていたのですがねえ。なぜ卓球に変えたのか。
それから、高校ではクイズ研究会というところに入ったのですが(笑)、たまたま見学に行って、そこで知り合った同級生と話すようになり何度か行っていたらその流れで入ることになりました。
そして大学ではボートに勧誘され、合宿ということで踏ん切りがつかなかったのですが先に入部を決めた同期の人柄が分かってから、仲良くなったし大丈夫かなと思って入部を決めました。4月末、ちょうど今頃の時期です(2021年4月29日記事)。
こうして見ると、かなり周りに流されやすい人間ですね(笑)。こんなに自分がない人間だったのか。

そういうことで、以前からの友達や、そこで知り合った同期の存在がなければ、一人では決して入部をしていなかったと振り返ります。新しい世界に飛び込むよりも、先に人間関係ができているかどうかがポイントだと思うんですね。
実際にボートの競技や世界にはまっていくかどうかは、その人次第ですが、入部するかの入り口は人間関係ができていることが大切だということです。先輩との縦の人間関係か、あるいは同期との横の人間関係。新勧ではどちらも重要です。

あとは、高校や中学だと先生との人間関係や、あるいは父母や兄弟、OBとの人間関係というケースもありますが、これは身近にボート関係がいるかどうかの、ボートに縁がある別のパターンですね。
縁もゆかりもなかった大学新勧の一般的なケースでは、短い期間にいかに人間関係を作るかなのです。短期に知ってもらい、信頼を築く。だから情報発信、SNSや電話やLINEやメールなどの通信、実際に会って話すなど、新勧は情報とコミュニケーションがすべてなのです。








6.オンラインで準備する情報量の多さは、対面コンタクトを多くすることと同じ
T北大の新勧のパターンでは、だんだんとボート部を知っていく中で新入生は入部に近づいていくと思いますが、最初のとっかかりはある人は受験情報の早い段階、そして入学間近の大学の情報、そして大学の部活などを調べたとき、新勧合同イベントに参加して。あるいはどこかSNSで流れてきたりリツイートやフォローした新勧情報だったかもしれない。
最初は軽い気持ちで、何もボートのことなど知らないが、しかしT北大のすごさが部のイベントに参加するようになって、だんだん分かってきます。

T北大の場合、
受験情報→大学情報→部活紹介→競技紹介→合同イベント→部単独のイベント→個別コミュニケーション
という段階で入部に近づいて行くと思いますが、どこから新勧ルートに入っていったかは新入生によってそれぞれですね。

しかし、だんだんT北大のことを調べようと、もっと知りたいと思ってHPや新勧パンフなどボート部情報を見てみると、おそらくそこですごい部活だということが分かってくると思うのです。
この情報量、アピール力、たいへんな作り込みと組織としての完成度が、やはり対面にまさる新勧力となったのではないでしょうか。
T北大の新勧パンフレット、見てください。
もう電子パンフ、オンラインパンフの時代ですね。印刷の実物もまだ必要かなと思うところではありますが。
そして圧倒的な、充実の情報量。たいへん細かい選手プロフィールやボート情報は、新入生にとって読み応えのある、まだ「よく分からないボート競技」への好奇心、色々知りたいボート部情報への要望を満たしてくれる案内書となるのです。

2021 T北大新勧パンフ 電子版

この力作、新勧パンフの電子版。リンクさせて頂きます。
他にも多くの大学で電子パンフ、ダウンロードできるPDF版など、パンフレットは人の手で配布することなく、ましてや郵送などすることなく新入生がオンラインで目を通すことができますね。

これだけしっかりした内容、素晴らしい出来のパンフレットであれば、ボート部に入るかどうか悩んでいる段階の新入生にとって大きな安心や信頼となり、やはりしっかりした団体なのだと入部への背中を押してくれるはずなのです。
これ以外にも、新歓Twitterではとにかく情報が充実して、関心を持った新入生はたくさんの情報を得て、間違いないと決心させるに十分すぎるボリュームと内容だと思います。
この情報戦略、これを総合した新勧力です。



T北大のHPでの新勧ページです。新勧パンフや各種新勧用の動画あり。
2021新勧PVもYoutubeではなくこちらに埋め込まれているようです。
T北大HPより 新勧ページ

そしてT北大新歓Twitter。たくさんのヒントがここにある!
T北大ボート部 新歓Twitter

T北大の皆様、ぜひ色々参考にさせてください。








7.まとめ
早い時期からの告知・周知。
段階を踏んだボート部アピールと情報発信。
新入生に対するタイムリーな情報提供、タイムリーなイベントの用意。
SNS、オンラインZoom対話の駆使。
合同新勧イベントとボート部新勧イベントの使い分け。
パンフ、情報量、そしてPV、さまざまな文字と動画での新勧文句のアピール。
最後は熱く真摯な言葉をオンライン、あるいは通信で語り、新入生としっかりコミュニケーション。


これらがいまのオンライン新勧に必要なエッセンスでしょうか。


まだまだ新入部員数がたくさん必要だというチームの皆さん。5月は合同イベント、部のイベントの流れでオンライン新勧を継続してやってみてはいかがでしょうか。対面と違って、オンラインならばやろうと思えばいつでも新勧ができると思います。継続していれば、次の代となる高校生からの問い合わせもあるかもしれませんし、2年生からのアプローチもあるかもしれません。

結果を出しているチームは、必ずその秘訣があります。
私としては、大いに参考にしながら全国のボート部がたくさんの部員で、たくさんの仲間が増えたという声を聞きたいですし、多くのクルーと艇がコースを埋めて熱いレースを見せてほしいと思っています。

まだまだ、多くの工夫、アイデアによって、新しい仲間を迎え入れるシンカンの方法は、シンカし続けます。
全国で知恵を出し、共有し、ボートで成長するストーリーを数多く紡ぎ出していきましょう!